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『運命と自由』西尾幹二(国書刊行会)

『運命と自由』(西尾幹二全集22A)西尾幹二(国書刊行会)

2024年
656頁
定価:8,580円(税込)




目次(収録作品)

序に代えて
現代リスク文明論
 ――国家が個人を守れなくなった時代

第一部
あなたは自由か
第一章
自由の二重性
 ――自由は不自由の自覚にはじまる
 1サイバーテロの時代にどんな自由があり得るか
 2LibertyとFreedomの違いについて
第二章 
資本主義の「自由」の破綻
 ――共産主義という敵を失った自由主義の行方
 1経済の高度成長期(一九六〇〜八〇年代)における自由の過剰
 2九〇年代に自由の「収縮」する感覚があった
 3しかし、自由は量の概念ではなく、量と質の対立の概念でもない
第三章 
古代ギリシャの奴隷制度と現代アメリカの民主主義諸制度
 ――自由と平等のパラドックス
 1古代ギリシャでは高貴な身分の人も奴隷に転落した
 2アメリカ独立宣言の自由と平等の欺瞞性
 3古代ギリシャ人を支配した「競争」とは何か
第四章
「天皇」と「人類」の対決
 ――コロンブスの米大陸発見からハル・ノートへ
 1民族の歴史の外に立つ「個人」に自由はあるか
 2日本は戦間期(一九二〇〜三〇年代)にある罠にはめられた
 3後期水戸学(一七〇六年〜)における「近代」の目覚め
 ――同時代のアメリカ史にいったい何があったのか
 4欧米五百年史に見る「人類」という概念の鎖国的性格
第五章
「 アメリカ帝国」の出現とヨーロッパの闇
 ――国際公法を信じ過ぎた日本
 1十九世紀はヨーロッパ公法による智恵と安定の時代だった
 2ヨーロッパ史を背負って現われた「神の国」アメリカ
  ――日本も「神の国」だった
第六章
第二次世界大戦の開戦動機に関する日米間の認識の接近
 ――あのときは「決断」以外に自由はなかった
 1日米開戦をめぐる三冊の本
 2一九四三年の日本人による時局観察
 3二〇〇九年のアメリカ人による日本の開戦動機の分析
 4一九四二年の日本人による開戦回顧
第七章
ルター=エラスムス論争と近代日本の運命
 ――自由は動く
 1素人小説家のある作品を批評して
 2”私は「個体」でも「個人」でもなく「私」なのです”
 3意志の不自由論と犯罪
 4青春只中の日本精神史のひとこま
 5「 自由意志論争」(一五二四年)の一点描
 6エラスムスによる新約聖書のギリシャ語原典の復元
 7プロテスタント運動はヨーロッパ内部の「十字軍」だったのか
 8ヨーロッパとイスラムの対立、そして日本と中国の対立
あとがき
主な参考文献

第二部
あなたにとって運命とは何か
Ⅰ運命と戦争
 1一九四五年八月十五日以前の日本人、以後の日本人
 2「 戦後の戦争」に敗れたのが日本の間違い
  ――新党「たちあがれ日本」樹立記念講演会で語ったこと
Ⅱ運命と原爆
 1オバマ米国大統領の広島訪問と「人類」という概念の欺瞞
 2核武装国家北朝鮮との共存はわれわれの運命なのか
 3敵基地攻撃能力と反撃能力とでは概念が決定的に異なる
 4そうだ、その通りだと膝を叩いた一枚の広告

第三部
私の運命観の転機
 1二〇一一年三月十一日、東日本大震災のあの日の私
  ――社会的災厄は果たして運命なのか、運命に日付や地名は付いているのか
 2運命は個人の生の情熱の外にはない
  ――私は坂本多加雄氏の言葉からヒントを得て運命観を変えた

第四部 平和主義ではない「脱原発」
 1原子力安全・保安院の「未必の故意」
 2「脱原発」こそ国家永続の道
 3「 原発」は戦後平和主義の象徴
 4『平和主義ではない「脱原発」』の「はじめに」と「あとがきに代えて
 5現代リスク文明論
  ――国家が個人を守れなくなった時代(本巻「序に代えて」に掲載)

第五部
保守論壇を叱る
 1経済と政治は一体である(二〇〇五年)
 2雑誌ジャーナリズムよ、衰退の根源を直視せよ(二〇〇八年)
 3十年経っても言論の衰退は止まず(二〇一八年)

第六部
日本を取り巻く潮流
 1日本は米中に厄介で面倒な国になれ(二〇〇七年)
 2日本は真中が陥没しかけている(二〇〇八年)
 3日本は案の定、米中の挟み撃ちに遭っている(二〇一〇年)
 4中国恐怖症が日本の元気を奪う(二〇一一年)
 5無能なオバマはウクライナで躓き、日中韓でも躓く(二〇一四年)
 6中華冊封体制の金融版を許してよいのか(二〇一五年)
 7人民元国際化の「脅威」と戦え(二〇一五年)
 8アメリカへの依頼は動かぬ現実、依頼心理が日本の問題(二〇一六年)
 9外務省は国の名誉の汚名を雪ぐために本気で戦ったことがあったのか(二〇一七年)
 10中国由来の未知のウイルスに世界は翻弄されている(二〇二〇年)
 11日本学術会議への疑問(二〇二〇年)
  ――そもそも「学問の自由」を脅かすものは何か

第七部
談論風発
Ⅰ著者が自他を語る
 1著者が自己を語る( 西尾幹二全集内容見本Ⅰ 二〇一一年九月)
 2著者が若い友人・遠藤浩一拓大教授と対談する(「WiLL」二〇一一年十二月号)
 3著者が初対面の近現代史研究者・辻田真佐憲氏と対談する(「文春オンライン」二〇一九年一月二十六日)
Ⅱ吉本隆明と私との接点
 1若い頃の「政治と文学」論
 2吉本氏へのニーチェ論の依頼
 3オウム事件における吉本氏の麻原被告擁護
 4一見、保守派を喜ばせた吉本氏の原発擁護論の観念性
 5吉本氏の戦争観に見る時代遅れ
 6結びとして
Ⅲ再びモラリスト風に
 1文学部をこそ重視せよ
 2教育は言語教育にきわまる
 3”らしさ”の回復
 4新英語教育考
 5人生の長さについて
 6長寿について
 7宗教という言葉について
Ⅳ随筆集(その二)
 1野口村の思い出
 2遠い日の幻影
 3婚礼と弔い
 4年末の銀座
 5桜の咲く少し前
 6香典の功徳
 7水のかき消える滝
 8私の墓

追補一 ショーペンハウアーとニーチェのはざまを生きる‐ 西尾幹二私論
    夢なのだ! この夢をどこまでも見とどけよう!        鎌田康男
追補二 『江戸のダイナミズム』と清朝考証学と            横久保義洋
追補三 価値観と感動の共有体験、西尾幹二の知的空間         福井雄三
追補四 福田恆存先生と西尾幹二先生とに学ぶ             佐藤松男
追補五 初期作品「ヒットラー後遺症」などの強固な持続する思想    西村幸祐

後記

運命と自由

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