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『現代評論キーワード講義』小池陽慈(三省堂)

『基本用語から最新概念まで 現代評論キーワード講義』小池陽慈(三省堂)

2023年4月10日第1刷発行
303頁
定価:1,100円(税込)




目次(収録作品)

前近代
01 アニミズム的世界観
02 一神教的世界観
03 円環時間
04 宗教・信仰・神話〔ほか〕

近代
12 科学革命
15 理性と近代合理主義
16 主客二元論
17 人間中心主義〔ほか〕

現代
44 マルクス主義
45 修正資本主義
46 全体主義
47 自由からの逃走〔ほか〕

本書は評論文に使われる用語、思想、概念などを解説したもの。見開き2ページで一つのキーワードを100解説する。テーマに関連の書籍も紹介されている。
高校生には高度な内容で、分量としても読み応えがある。おとなが読んでもよい内容。
筆者の考えとは相容れないサヨク(リベラル)の視点が散見されるところが気になるが、教養を高める本としてなかなかおすすめ。

[筆者注]
(重要語ミニ辞典 p.257)
「南京大虐殺(ナンキンだいぎゃくさつ)
日中戦争初期の一九三七年、中国の南京を占領した日本軍が、捕虜や一般市民に大規模な略奪や虐殺を行った事件。」
これは「南京事件」が一般的な呼称である。また、上記の説明では判明している事実のように書かれているが、この事件で不法に一般市民を虐殺したなどの明確な証拠は今のところないので、この説明は適切でない。ウィキペディアでも「虐殺したとされている事件」としている。(Wikipedia

(p.100)「アジア・太平洋戦争」
これは「太平洋戦争」(大東亜戦争)が一般的な呼称である。わざわざこの語を選択するのはなぜ?

(重要語ミニ辞典 p.275)
「リベラリズム
①「自由主義」のこと。
②すべての人の自由と権利を尊重するため、それによって生じる格差や不平等を、社会保障の整備などの福祉国家的な政策によって正していこうとする考え方。立場によって多様な思想がある。」
上記の②は、「社会自由主義」の説明ではなかろうか。(Wikipedia
この説明ではリベラリズムとは何かが分からない。

liberalism

1〔政治上の〕進歩主義。改革主義。
2〔政治上の〕自由主義。リベラリズム。◆西ヨーロッパを起源とする、圧政を排し、言論・結社・宗教の自由および個人の財産権を擁護する考え方。
3 自由市場経済理論。
4(キリスト教)〔プロテスタントの〕自由主義運動。◆19世紀に起こった、教義よりキリスト教の倫理的・人間的側面を強調して、自由な知的探求心を積極的に認めようとする運動。

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