『学生との対話』小林秀雄、国民文化研究会・新潮社編(新潮文庫)
2017年2月1日発行
225頁
目次(収録作品)
講義 文学の雑感
講義 信ずることと知ること
講義「現代思想について」後の学生との対話
講義「常識について」後の学生との対話
講義「文学の雑感」後の学生との対話
講義「信ずることと考えること」後の学生との対話
講義「感想ー本居宣長をめぐってー」後の学生との対話
信ずることと知ること
小林秀雄先生と学生たち 國武忠彦
問うことと答えること 池田雅延
著者は評論家ほか。(1902-1983)
本書は、全国から大学生を集めて行われた講演(講義)をまとめたもの。講演録そのままではなく、著者により文章が整えられている。
割とよいが、元の講演の音源の方がよい。本書の方が音源より文章は整っているが、かえって分かりにくくなっている。語りのリズム、逡巡したり、言いよどんだりなどがある音源の方が分かりやすく、より言っていることが伝わる。また、書籍版はところどころ省略もある。
音源を一聴して話し方が古今亭志ん生(5代目)に似ているな、と思ったが、まさか著者が志ん生の口調を研究して取り入れているとは思いもしなかった(p.217)。
音源のCDは、大きめの図書館にはあるので、興味のある人は借りてみるとよい。
[関連]
『学生との対話』小林秀雄(2014・新潮社)単行本
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