
『昭和十年代の陸軍と政治―軍部大臣現役武官制の虚像と実像』筒井清忠(岩波書店)
2007年
314頁
定価:2,860円(税込)
目次(収録作品)
第一章 広田内閣組閣における陸軍の政治介入
第二章 軍部大臣現役武官制の復活
第三章 宇垣内閣の流産――「軍の総意」による「反対」
第四章 林内閣の組閣――梅津次官と石原派中堅幕僚の抗争
第五章 第一次近衛内閣における首相指名制陸相の実現――杉山陸相から板垣陸相へ
第六章 阿部内閣における天皇指名制陸相の衝撃――畑陸相就任の衝撃
第七章 米内内閣倒壊――畑陸相辞職と近衛文麿の役割
1936年に復活した軍部大臣現役武官制によって陸軍は暴走し,日本は戦争への道を歩んでいくという歴史認識が定着して久しい.この見方はいかに誤っているのか.陸相のポストをめぐり陸軍と首相が対立した昭和10年代の全ケースを精査し,その対立の内実を初めて解明した本書は,昭和史の常識を覆す注目の書.
出典:岩波書店公式サイト