『知性の限界―不可測性・不確実性・不可知性』高橋昌一郎(講談社現代新書)
2010年
288頁
目次(収録作品)
序章 シンポジウム「知性の限界」開幕―「理性の限界」懇親会場より
第1章 言語の限界(「論理哲学論考」のパラドックス/ウィトゲンシュタインの言語ゲーム/指示の不可測性/言語理解の限界と可能性)
第2章 予測の限界(帰納法のパラドックス/ポパーの開かれた宇宙/予測の不確実性/未来予測の限界と可能性)
第3章 思考の限界(人間原理のパラドックス/ファイヤアーベントの知のアナーキズム/究極の不可知性/人間思考の限界と可能性)
予備知識なしで楽しめるディベート形式の論理哲学入門書!
前著『理性の限界』で論理哲学への斬新なアプローチを展開し話題になった著者が書き下ろす哲学ディベート第二弾。人間の知的営為の基本である「言語」「予測」「思考」の限界と可能性を論じる。思考や伝達の根本である「言語」。しかし、同じ言語が示す内容は誰にとっても同じではなく、言語理解には矛盾や限界がある。
また、あらゆる予測の前提となる「帰納法」が論理的に正しいことは、実は証明できない。さらに、無限に思える「思考」にも限界があり、宇宙や神の存在を論理的に説明しきることはできない――。ウィトゲンシュタイン、ヘンペル、ナイト、ファイヤアーベント、カントらを次々と俎上に載せ、哲学者・科学者から女子学生、会社員や運動選手までもが参加して、哲学から経済、宇宙論まで、ときに脱線しながら熱く楽しく語り尽くす。出典:講談社BOOK俱楽部