『乃木大将と日本人』スタンレー・ウォシュバン、目黒真澄訳(講談社学術文庫)
1980年
130頁
目次(収録作品)
永遠の力
旅順口(りょじゅんこう)
ストイック的精神
爾霊山(にれいざん)
風声鶴唳(ふうせいかくれい)
法庫門(ほうこもん)
閑談
厩(うまや)の人影
詩歌論
七月四日
相撲
和か戦いか
暁天(ぎょうてん)の星
かくのごとき人
巻末語
ここに描かれたのは、乃木大将の伝記ではない。いわんや戦役史に資料を提供するものでもない。彼の大戦役の折、大将の身近にあり、大将をFather Nogiと呼んだ一米国従軍記者が、難攻不落といわれた二〇三高地を陥れ奉天戦へと転戦する乃木の孤影の中に、武士道精神と優雅な詩情とを併せもった名将の姿を見、自我を没却し、専心、理想の実現に邁進しようとした大将の生涯は、日本人の特質を具体化したものだと説く、香り高い名著。
出典:講談社BOOK俱楽部