『伊丹十三選集』(全3巻)(岩波書店)
『日本人よ! 伊丹十三選集1』
2018年
512頁
目次(収録作品)
天皇日常/天皇の村/人世劇場 天壌無窮篇/古代への旅 全十三話/人世劇場 神兵衰弱篇/チンパンの嘆き/肋骨/冑建築/悪魔の証明/インヴァネス/パッパカパーノ,パッパ/机の上のハガキ/ダンヒルに刻んだ頭文字/日暮れて道遠し/ロンドンからの電報/息詰まる十分間/乾いた音/水の味/イカモノについて/スキヤキ戦争/箸の汚れ/唇の感触/三船敏郎氏のタタミイワシ/地震のない国/クダショー/塩田/人世劇場 色即是空篇/ポセイドン・アドヴェンチュア/スーパー民主主義/香水/日記まで/プ/ミルク世紀/ステレオホニックハイハイ/この道二十年/ハイ・スクール・イングリッシュ/和文英訳/子音/アイ・アム・ア・ボーイ/失楽園/素朴な疑問/都市論/塀のいろいろ/契約/日本人論
初のエッセイ集『ヨーロッパ退屈日記』(1965年)を発表以来、伊丹十三は海外の文物を語りつつも、ほとんど常に日本や日本人に対する切実な訴えを紙背に忍ばせていた。「日本人」はどこから来たのか、そしてどこへ行くのか――伊丹を捉えて離さなかった「日本というミステリー」をめぐる旅。
出典:岩波書店公式サイト
2019年
341頁
好きと嫌い
原則の人/わたくしのコレクション/天鵞絨のハンドル・カヴァ/不愉快/ミドル・クラスの憂鬱/走る男/他人の顔/英国人であるための肉体的条件
ダンディズム
日本人に洋服は似合わない/場違い/キザ/正装の快感/銀座風俗小史/男と女/スタンダールの恋愛論/グループ
美味礼讃
料理人は片づけながら仕事をする/食前の果物/三ツ星のフランス料理/飲み残す葡萄酒/スパゲッティの正しい調理法/スパゲッティの正しい食べ方/深夜の客/女連れ/血よ,したたれ!/西洋料理店における野菜サラダを排す/サラダにおける本格/ベスト・ドレッシング/開いた窓/包丁の正しい持ち方/温められた皿/目玉焼の正しい食べ方/ダッグウッドの悦び/ハリーズ・バーにて
吞む
カルピスとコカコーラ/薯焼酎/酒量/二日酔について/羨ましいなあ!/二日酔の虫
運転
急ぎの虫/勇気/アッあぶない/大英帝国の説得力/世界一のマッチ/道筋/人世劇場 疾走車輪篇
小咄
辞書/小さな病人の快楽/石鹼についての覚え書/古典音楽コンプレックス/最終楽章/ウイローの紳士/蚊/ハチハチ・カンタータ/犬の歯を抜く話/これだけは知っておこう/ナガ/ハリーの話/鬚を剃った魚の話/新幹線にて/盲人/悪戯/屋台の論理
脱毛
脱毛/伊丹十三の編集するページ その一(部分)
猫
猫/ザ・ネイミング・オブ・キャッツ/わが思い出の猫猫/伊丹十三の編集するページ その二
「自分の嫌いなものをあれこれ考えるのはとても愉しいことです」–物づくしの末に現れる、マヤカシとマニアワセを排し、正調を尊ぶ自在な精神。ユーモラスなイラスト、稀代の凝り性だった著者の面目躍如たる「伊丹十三の編集するページ」とあわせて楽しみたい、「好悪の感覚」をめぐる傑作エッセイ集。
出典:岩波書店公式サイト
2019年
389頁
青春
防禦/死に至る病/済んでしまった!
結婚
歯/無人島/腕の問題/オヨメニオイデヨ/結婚記念日/生理座談会
子ども
ダイフク/人世劇場 孤軍奮闘篇/親馬鹿/男女平等
働く
ロータス・エランのために/渡された一頁/“GO AND CELEBRATE”/「どうでもいいや」/ヤラセ/人世劇場 撮影快調篇/テレヴィジョン嫌い/恐怖の人/ニコニコカメラ/スタッフ/インタビュー/書斎の憂鬱
育児
まえがき/知的生活者諸君!/二人目の子/夜泣き/プールサイド/大病人/グッド・ラック/発声練習/熊のプーサン/死教育/円盤/父と子
教育
まえがき/赤チャンハドコカラクルノ?/デンマークの性教育/あとがき/怒りの旅/大実験/オープン・エデュケイション/ノグチヒデヨ・オン・TV/落第のすすめ
心
クワセモノ/川の底/眉間の皺/睨みの研究/鼻の構造/日本人の精神分析
恋愛、結婚、そして仕事に子育てーー。みずから考え、動き、来たるべき時代の男性像・父親像を軽やかに体現してみせた、伊丹十三の日々がここに。時代に先駆けた「行動する知性」が分け入った人の心、その深淵に迫る選集第三巻。(完結)
出典:岩波書店公式サイト