1993年
284頁
目次(収録作品)
1
認識とイメージのレトリック
創造性としてのレトリック感覚
自分だけのものでない言語
「らしさ」について
ことば
強調の記号論へ
言語と逃れ去る文学と
2
記号がひらく世界
人物像――イメージのレトリック
非言語記号と翻訳
自由時間の記号性
金で買えるという意味
3
読む楽しみ(の記号論)
読むことの小冒険
名前について
手紙について
ことわりかた
落語
だから
広告と文学のことばの形
美文の効用あるいは無用
われわれを取り囲む文化とは、巨大な記号の体系に他ならない。言語においても単語はそれぞれの意味をそなえた記号であり、それらが集まってできる文は複合的な記号となる。想像力ないし創造力を駆使して微妙な言語現象を分析・解読するレトリックの認識こそ、記号論のもっとも重要な主題なのである。言語学を越えた〈記号論としてのレトリック〉の領野を呈示した著者のレトリック研究の集大成の書。
出典:講談社BOOK俱楽部