『さまよえる魂のうた 小泉八雲コレクション』小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)、池田雅之編訳(ちくま文庫)シリーズ全3冊
2004年
495頁
定価:1,300円(税別)
目次(収録作品)
第1章 私の守護天使―自伝的断片(夢魔の感触/私の守護天使/偶像崇拝/ゴシックの恐怖/ひまわり/星たち/幽霊/永遠の憑きもの)
第2章 赤裸の詩―文学の力(西洋文学における女性像/至高の芸術について/赤裸の詩/文学と世論/文学における超自然的なるもの/詩歌の中の樹の精/妖精文学と迷信)
第3章 生活の中の文学(生活と文学の関係/読書について/文章作法の心得)
第4章 ロマン主義の魂(シェイクスピア再発見/イギリス最初の神秘家ブレイク/自然詩人ワーズワス/コールリッジ、超自然の美学/ロマン主義なものと文学的保守主義/日本文学の未来のために)
小泉八雲の家庭生活(萩原朔太郎)
ghostlyとは何か?それは「神」をさす言葉で、「神聖」「神秘」にして「宗教的なもの」のことであり、さらには、人間の内面や魂を表象する「霊的なもの」をも指している、と八雲はいう。『妖怪・妖精譚』(ちくま文庫)が再話文学という形式を借りて、ghostlyの世界そのものを描いているのに対し、この『さまよえる魂のうた』は、八雲自身にとってghostlyなものとはなにかを綴った自伝エッセイや、「妖精文学と迷信」などの講義を収め、八雲文学の原風景とその思想的素地を明らかにする。『妖怪・妖精譚』の姉妹編ともいうべきアンソロジー。巻末には萩原朔太郎の「小泉八雲の家庭生活」を併録。
出典:筑摩書房公式サイト