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『日本の「哲学」を読み解く』田中久文(ちくま新書)

『日本の「哲学」を読み解く―「無」の時代を生きぬくために』田中久文(ちくま新書)

2000年
238頁




目次(収録作品)

第1章 西田幾多郎-「無」の哲学の創成(最も確実な知識を求めて/創造的自己としての「自覚」/意識の根底にある「無の場所」 ほか)
第2章 和辻哲郎-「間柄」の底にある「空」の運動(美と倫理の間/人間存在と「空」/否定の運動 ほか)
第3章 九鬼周造-「無」としての「偶然性」(出会いと別れ/「いき」の倫理学/「偶然性」への問い ほか)
第4章 三木清-「虚無」からの形成(「中間者」としての人間/「闇」としての「基礎経験」/歴史を作りだすもの ほか)

はたして、日本に独創的な哲学など存在したのであろうか。明治以降、西洋思想の輸入に明け暮れていた日本。しかし世界恐慌を機に、模範としていた西洋近代の諸理念が崩れていった一九三〇年代、日本でも初めて独自の哲学が生み出されていく。それは、いかなる形而上学原理をも前提としない「無」の哲学であった。そこには、すべての価値観が色あせた時代にあっても、なお「生きた力」となりうるものが潜んでいるのではなかろうか。西田幾多郎・和辻哲郎・九鬼周造・三木清ら、日本の哲学山脈を形づくった四人の思想をわかりやすく解説し、現代を生きぬく知恵を探る。

出典:筑摩書房公式サイト

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