1990年
222頁
目次(収録作品)
天皇家権威の変化(親政・院政・治天の君/改元・皇位継承・祭祀)
足利義満の王権簒奪計画(最後の治天―後円融の焦慮/叙任権闘争/祭祀権闘争/改元・皇位への干与)
国王誕生(日本国王への道/上皇の礼遇/百王説の流布/准母と親王元服)
義満の急死とその後(義満の死と簒奪の挫折/皇権の部分的復活/戦国時代の天皇)
強大なカリスマ性をもって、絶対主義政策・中央集権化を支持する官僚・公家・寺社勢力を操り、武家の身で天皇制度の改廃に着手した室町将軍足利義満は、祭祀権・叙任権などの諸権力を我が物にして対外的に〈国王〉の地位を得たが、その死によって天皇権力簒奪計画は挫折する。天皇制度の分岐点ともいうべき応永の時代に君臨した義満と、これに対抗した有力守護グループのせめぎあいの中に、天皇家存続の謎を解く鍵を模索する。
出典:中央公論新社公式サイト