『精神と物質―意識と科学的世界像をめぐる考察』エルヴィン・シュレーディンガー、中村量空訳(工作舎)
改訂版1999年
171頁
目次(収録作品)
第一章 意識の物理学的な基盤
脳と脳が描きだす世界についての問題/倫理の自然科学的理解
第二章 知力の未来
生物学的意味での袋小路か?/ダーウィンの進化論に見られる明らかな陰り
第三章 客観化の原理
ユングとシェリントンの説/人格は個体の内部に見い出しうるのか?
第四章 算術上の矛盾——精神の単一性
多元の意識的自我と一つの世界/世界のすべてが演じられる舞台としての精神
第五章 科学と宗教
時間の概念/プラトン/カント/アインシュタイン
第六章 感覚的性質の不思議
人間の感覚/観察された事実と科学的理論
解説 シュレーディンガーの思想
統一への道/合理主義か神秘主義か
人間にとって、こころとは何か?
意識はどのような働きをしているのか?
シュレーディンガーは卓越した物理学者として物質世界を考察すると同時に、深い思索を通して精神の問題を探究した。そして、たどり着いた結論が本書である。『生命とは何か』と並ぶ名著。本書は1956年にケンブリッジ大学トリニティ・カレッジで行なった連続講演をまとめたもの。原書は58年の初版以来、いまなお版を重ねている。
出典:工作舎公式サイト