『日本史の法則―明日を予見する歴史の読み方』渡部昇一、竹村健一編(祥伝社)
2005年
275頁
目次(収録作品)
1章 「日本史の法則」とは何か―国際化社会に対応するための指針を探る
1 日本的発想の基本―「和を以って貴しと為す」の真意は何か
2 日本史を支える3本の柱―日本人の「人間らしさ」の根幹を築いたものとは
3 日本人のこころと西洋の価値観―世界史に対する歪められた認識を正す
2章 誤解だらけの日本史―日本人のこころを歪めた歴史家たちの誤りを正す
日本人の独創性の秘密/はたして日本は「男尊女卑」か/「日本人は残虐」という伝説の嘘/「日本語は乱れた」という愚かな風潮/誰も指摘しなかった明治維新の重大な過ち/憲法論争で見逃されている問題点/日本の伝統教育とは何か/「正義」が、いかに危険であるか/現代「古代史学」の危険性/『古事記』こそ日本史の出発点
3章 日本史の中の権力者たち―各時代の英雄たちの「日本人らしさ」の証明
聖徳太子/藤原一族/源頼朝/楠木正成/足利義満/織田信長/明治の軍人/戦後の経済人
(筆者が読んだのは、1979年刊の新書版)
著者は、英語学者、評論家。(1930-2017)
本書は、下記の『歴史の読み方』を改題し復刊したもの。我が国の歴史、日本人の特徴(特長)について目次に示したように幅広く論じている。口述をまとめたもので、読みやすい。
著者の見方や考えのダイジェスト版のような本で、そのような形式のものは大概、内容の薄い要約になってしまうが、本書は中身のある良書である。古い本だが、今も読む価値がある。渡部昇一の著作の最初の一冊としてもおすすめする。
[関連]
『歴史の読み方―明日を予見する「日本史の法則」』渡部昇一、竹村健一編(1979・ノンブック、祥伝社)新書
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『歴史の読み方―明日を予見する「日本史の法則」』渡部昇一、竹村健一編(1991・祥伝社黄金文庫)
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