『モラルの起源―実験社会科学からの問い』亀田達也(岩波新書)
2017年
208頁
目次(収録作品)
第1章 「適応」する心
1.生き残りのためのシステムとしてのヒト
2.適応環境としての群れ
第2章 昆虫の社会性、ヒトの社会性
1.群れを優先させるハチ
2.個人を優先させるヒト
第3章 「利他性」を支える仕組み
1.二者間の互恵的利他行動
2.社会的ジレンマと規範・罰
3.情と利他性
第4章 「共感」する心
1.動物の共感、ヒトの共感
2.内輪を超えるクールな共感
第5章 「正義」と「モラル」と私たち
1.セーギの味方の二つの疑問
2.いかに分けるか――分配の正義
3.社会の基本設計をめぐって――ロールズの正義論
4.正義は「国境」を超えるか?
群れで生きるための心の働きを,進化的に獲得してきたヒト.しかし,異なるモラルをもつ人々を含む大集団で生きる現代,仲間という境界線を越えて,人類が平和で安定した社会をつくるにはどうすればよいのか.心理学などの様々な実験をもとに,文系・理系の枠を飛び越え,人の社会を支える心のしくみを探る意欲作.
出典:岩波書店公式サイト