『エクリチュールの零度』ロラン・バルト、森本和夫・林好雄 訳注(ちくま学芸文庫)
1999年
276頁
目次(収録作品)
エクリチュールとは何か
政治的なエクリチュール
小説のエクリチュール
詩的なエクリチュールは存在するか
ブルジョワ的エクリチュールの勝利と分裂
文体の職人
エクリチュールと革命
エクリチュールと沈黙
エクリチュールと語り(パロール)
言語のユートピア
「文学的形式(フォルム)を“アンガジェさせる”こと」と「サルトル的アンガージュマンをマルクス主義化すること」という二重の企図のもとに書かれた『エクリチュールの零(ゼロ)度』は、サルトルの『文学とは何か』によるブルジョワ的“文学”神話の“脱神話化”の試みを引き継ぐとともに、その人間主義的限界の乗り超えを目指した。言語体(ラング)とも文体(ステイル)とも異なる文学の第三の形式的現実としての『エクリチュール』は、はたして“文学”を解明したのか。つねに現代思想の先頭を走り続けつつ、変貌を重ねたバルトのエクリチュールの冒険のすべては、ここから始まった。
出典:筑摩書房公式サイト
原題『Le Degré zéro de l’écriture』
[関連]
『零度のエクリチュール【新版】』ロラン・バルト、石川美子訳(2008・みすず書房)