『かぐや姫と王権神話―『竹取物語』・天皇・火山神話』保立道久(洋泉社・歴史新書y)
2010年8月21日初版発行
254頁
定価:946円(税込)
目次(収録作品)
はじめに―『竹取物語』に隠された主題とは?
第1章 『竹取物語』と夜の神話
第2章 月の神話と火山の神
第3章 天武天皇と「脱神話化」する国家
第4章 皇子・貴族たちの求婚難題譚
第5章 かぐや姫はなぜ月世界へ帰ったのか?
終章 物語の成立・神道の成立―歴史の流れは神話から文明へ
付録 『竹取物語』全文(新翻刻・保立道久)
著者は、歴史学者。
『古事記』『日本書紀』などの神話や歴史的事柄と『竹取物語』の背景やモチーフ等との関連性を論じる。
けっこう高度な内容。『竹取物語』は現代語訳を通読しておく必要がある。また、出来れば『古事記』も通読しておくのが望ましい。高校レベルの日本史の知識も要るが、これは分からない語句等をネットで調べれば事足りる。
あまり根拠を示さずに著者の説を断定している部分が散見されるのが気になったが、内容豊かな本で、竹取物語に興味がある人には、なかなかおすすめ。
[関連・参考]
『竹取物語(全)』(角川ソフィア文庫)