『小川未明童話集』小川未明(おがわ・みめい(「びめい」とも))(新潮文庫)
昭和26年(1951)11月10日初版発行
257頁
目次(収録作品)
赤いろうそくと人魚
野ばら
月夜と眼鏡
しいの実
ある夜の星たちの話
眠い町
大きなかに
雪くる前の高原の話
月とあざらし
飴チョコの天使
百姓の夢
千代紙の春
負傷した線路と月
殿さまの茶わん
牛女
兄弟のやまばと
とうげの茶屋
金の輪
遠くで鳴る雷
港に着いた黒んぼ
小さい針の音
島の暮れ方の話
二度と通らない旅人
黒い人と赤いそり
かたい大きな手
解説 坪田譲治
小川未明の短篇童話を収めた本。
作品の多くは非常に短い短篇である。そしてそのほとんどが中身がなく尻切れトンボで終わる。物語の中身はなくとも、詩的な美しさ等があるかといったら、それも乏しい。
文学には好みがあるのでなんとも言えないところがあるが、現代の読者は本書の作品の多くをおもしろいとは思わないだろう。
ただ、「小さい針の音」は、すてきなよい話。
童話集としては、『新美南吉童話集』(岩波文庫)と『童話集 風の又三郎 他十八篇』(岩波文庫)をおすすめする。
なお、小川未明の収録作品については下記のサイトがくわしい。
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