復刻版2022年
235頁
目次(収録作品)
序説 支那の全貌
日本人は支那を知れ/支那は不可解ではない/凡てがスロー・モーションの国/日本人は性急すぎる/複雑極まる性格の国/尨大なる地形を見よ
第一章 政治と民衆
支那の村落/妥協的な国民/凡ての運動が職業的/激しい同化力を持つ/虚偽を言う国民は滅ぶ/実に多面的な性格あり/権謀術数の国 /花より団子の主義/戦わずして勝つ要領/徹底した利己主義/形式尊重の国/因果応報の弁/出世即ち金儲け
第二章 支那の階級
帝王業/みな親分乾分の間柄/階級は流動する/誅求と中飽/弱点の利用に巧みなり/洞ヶ峠の名人揃い/土匪討伐の裏/老齢支那の青年達
第三章 支那人の外交術
火元よりも遠方で騒ぐ/宣伝術の天才/隴を得て蜀を望む/辞令の民 /支那人の借金術/支那の裁判/同郷観念と排他心/非常に門戸閉鎖的
第四章 支那人の経済思想
経済心の発達/健実な海外発展振り/安価な生活法/地を匐うて進む主義/応用力の欠陥と手先/数観念の誇張癖/時よりも金/労働を卑下す/労働に伴う報酬/活きる力の根強さ/利害結合に敏/均分思想の極致/公法より私法の発達
第五章 支那人の習癖
太公望の国/天命論者/甚だしい迷信国/支那人の義侠心/支那人の挨拶ぶり/南方人と北方人/熱情性に富む/面子について/群衆心理/専制者の威力/流言飛語の盛んな国
第六章 支那人の享楽性
夜は賭博の国/最後の目的は享楽/不潔で衛生家/血縁の結合力/料理の国支那/早老の民/家庭内の複雑さ/心中と酔払いのない国/男尊女卑/女奴隷/私娼の多い国
第七章 支那の民衆心理
支那の女性/支那の兵隊さん/十種に余る乞食/中間階級の無い国/漢民族の同化力/二千万の回教徒/形骸だけの宗教/社稷観念
第八章 支那の社会性
地縁血縁/土匪にについて/紅槍会の存在/青帮紅帮/藍衣社とCC団
第九章 支那の将来性
支那は進歩す/著しき社会のの発達/国民政府と産業/交通の発達状態 /支那民族の発展振り
第十章 抗日の支那に就て
ボイコットの発展/英米の排日煽動/長期抵抗/排日から抗日へ/抗日と高潮/抗日と共産系/支那の軍備
戦前、戦中を通じ、支那(中国)分析のパイオニア、長野朗の復刻第五弾にして、集大成ともいえる現代支那全集第一巻「戦苑支那の習俗」を「戦苑支那の全貌」に改題し復刻。
支那事変(日中戦争)勃発の年、昭和12年に刊行された本書は、支那人(中国人)の民族性を、あらゆる面から考察し、まさにその全貌を捉えるものである。
満州事変から6年、支那大陸は各国相乱れての戦苑と化した。英米の思惑と、群雄割拠する支那の軍閥、政府、そして日本が権謀術数で狡猾な外交戦を繰り広げるさなか、日本及び日本人への警鐘として書かれた本書は、今まさに現代に十二分に通用する警句の全集である。
政治家、政府関係者、経営者にも是非手に取って熟読していただきたい内容である。
今もし長野朗が生きていれば、叱咤されたに違いない。益々膨張しアジア覇権者として立ち現れる中共に、長野朗なしに対峙することは、ガイドなしにジャングルに入るが如しである。出典:呉PASS出版公式サイト
[関連]
『現代支那全集 第1巻 戦苑支那の習俗』長野朗(1937・坂上書院)