2018年
416頁
目次(収録作品)
葉山嘉樹「セメント樽の中の手紙」
宮嶋資夫「安全弁」
坂口安吾「勉強記」「禅僧」
太宰治「花火」「父」
田中英光「離魂」
織田作之助「影絵」「郷愁」
島尾敏雄「家の中」
三島由紀夫「憂国」
野坂昭如「骨餓身峠死人葛」
中上健次「十九歳の地図」
(計13篇)
敗戦後の昭和20年代、そして高度経済成長と新左翼運動の昭和40年代。
世を根底から疑い、これに背を向け、あるいは反逆しようとする「デカダン文学」なるものが、とりわけこの二つの時代を中心に現れ出た。
頽廃、厭世、反倫理、アナーキー、およびそこからの反転。
昭和期のラディカルな文学的実践十三編を照射し、その背後に秘められた思想的格闘を巨視的に読みなおす。出典:講談社BOOK俱楽部