『儀礼の過程』ヴィクター・W・ターナー、冨倉光雄訳(ちくま学芸文庫)
2020年
373頁
目次(収録作品)
第1章 生と死の儀礼における分類の次元(モルガンと宗教/中央アフリカにおける儀礼の研究 ほか)
第2章 ンデンブの儀礼における双子のパラドックス(親族と生活とにおける双子の問題―アフリカの実例のいくつか/ンデンブ族の双子儀礼の筋書 ほか)
第3章 リミナリティとコムニタス(通過儀礼の形式とその属性/ある任命式儀礼のリミナリティ ほか)
第4章 コムニタス―様式と過程(コムニタスの諸形式/イデオロギー的コムニタスと自然発生的コムニタス ほか)
第5章 謙虚さと階級制―身分の昇格と逆転のリミナリティ(身分昇格の儀礼と身分逆転の儀礼/人生の危機における行事と年中行事 ほか)
アフリカのンデンブ族の儀礼にみられる、豊かで複雑な象徴的事物。それは彼らにとって何を意味し、社会のどのような側面を映し出しているか。本書の前半では儀礼に対する現地の人々の解釈を収集し分析することで、その意味と構造を導き出す。後半はファン・ヘネップの通過儀礼論を発展させた“反構造”“リミナリティ”“コムニタス”といった概念をもとに、宮廷の道化師、中世のフランシスコ修道会、さらにはヒッピーや、シェイクスピアの文学作品など、歴史・社会・文化の諸現象の理解を試みる。人類学の枠を越えて多分野に影響を与えた、象徴人類学の古典的名著。
出典:筑摩書房公式サイト