『風土の日本―自然と文化の通態』オギュスタン・ベルク、篠田勝英訳(ちくま学芸文庫)
1992年9月7日第1刷発行
428頁
目次(収録作品)
出発点―あいまいな場所、ある日曜日
1 基本要素の生気
第1章 気象
第2章 山水
第3章 草木
2 風土の理
第4章 野生の自然、構築された自然
3 現実の構築
第5章 自然の現われ出る裂け目
第6章 住まう(habitre)、景化する(payser)
第7章 もうひとつの自然、もうひとつの存在
帰還
自然、この最終的な主体
著者は、フランスの地理学者、東洋学者ほか。
本書は3部構成。第1部は、日本の季節の特徴を多くの俳句を例示し論じたり、地理学的、また植生などを論じる。第2部は風土学の理論を論じ、第3部はその風土学の立場から日本を考察する。
けっこう難解な本。
簡単に雑にまとめると、たとえば「ふるさと」というのは、単なる場所(物理的なもの)ではなく、物理的(客観的)であると同時に感性的(主観的)な「もの」である。こういった「もの」を「風土」や「通態」という概念で精緻に論じる内容。
[筆者注]
(p.52)「雪やコンコンあられやコンコン」
(日本人でもたまに間違えているが、この歌詞は「こんこ」である。)
[関連]
『風土の日本―自然と文化の通態』オギュスタン・ベルク、篠田勝英訳(1988・筑摩書房)
amazon