『アウグスティヌスの愛の概念』ハンナ・アーレント、千葉眞訳(みすず書房)
新装版2021年
305頁
目次(収録作品)
第1章 「欲求としての愛」Amor qua Appetitus
1節 「欲求」Appetitusの基本構造
2節 「愛」caritasと「欲望」cupiditas
3節 「秩序づけられた愛」Ordinata dilectio
第1章の付論1
第1章の付論2
第2章 「創造者」Createorと「被造者」creatura
1節 「被造者」の起源Ursprungとしての「創造者」
2節 「愛」caritasと「欲望」cupiditas
3節 「隣人愛」Dilectio proximi
第2章の付論
第3章 「社会生活」Vita socialis
ヤスパースの指導と、ハイデガーの影響のもとに書かれたこの博士論文は、ナチスの政権掌握によって亡命を余儀なくされたアーレントが、つねに携え、長い年月をかけて手を加えつづけた一冊である。このデビュー作のなかには、成熟期の政治哲学にみられるものがすでに胚胎し、のちの思想的展開の豊かな基盤ともなっていることにまず驚かされる。
政治的・道義的に急速な転換をみた1920年代のドイツで、アーレントはアウグスティヌスという哲学史上・神学史上の巨人と、愛の概念について、社会のきずなの存在論的根拠について、さまざまな角度から対論を試みている。共同性の存在論を問うことで、自己と隣人と世界に対する、みずからの魂の位置づけを探求するかのように。
1929年にドイツで刊行された初版本を底本とし、のちに本人の手で加えられた注釈や修正をいかした英語版についても言及した、訳者による詳細な解説に加えて、解説「アーレント政治思想の展開と著作案内」を付す。出典:みすず書房公式サイト
[関連]
『アウグスティヌスの愛の概念』ハンナ・アーレント、千葉眞訳(2012・みすず書房)定価:2,970円(税込)
amazon
『アウグスティヌスの愛の概念』ハンナ・アーレント、千葉眞訳(2012・みすず書房)定価:3,300円(税込)
amazon