『リベラルな共同体―ドゥオーキンの政治・道徳理論』小泉良幸(勁草書房)
2002年
226頁
目次(収録作品)
序論 自由と公共
第一部 「リベラリズム対共同体論」──憲法判例を素材として
第一章 危害原理
第二章 「自由」解釈の方法論
第三章 自由の根拠と、その範囲
第二部 「リベラリズム対共同体論」──アメリカ法学の応答
第一章 批判的法学研究(Critical Legal Studies)
第二章 「共和主義」(Republicanism)の憲法理論
第三部 リベラリズムの「政治・道徳理論」──R・ドゥオーキンの場合
第一章 リベラルな平等論と、その前提とする人間像
第二章 「リベラルな統合」
結語 日本国憲法への接合
補論 卓越主義的リベラリズムの試み ──J・ラズの場合
一 リベラリズムの卓越主義的構成
ニ 卓越主義の政治と、その技術
「自分の」関与していない過去の共同体の行為に対する責任を、現在に生きるこの「私」は、いかなる理由によって負うべきか、かつ、負い得るか。問題の核心は、個人と共同性の関係は対立的で敵対的なものに尽きてしまうのかどうかにある。本書は、ロールズやセンと並ぷ現代リベラリズムの代表者ドゥオーキンの公共哲学を、リベラリズム対共同体論論争へのありうべきひとつの応答として読解し、自由と秩序の「つながり」を考え直す試みである。倫理学と正義論の架橋をめざす、条文・判例解釈の次元にとどまらない憲法学の可能性を追求する意欲作。
出典:勁草書房公式サイト