『貨幣理論と景気循環・価格と生産 ハイエク全集Ⅰ-1』フリードリヒ・ハイエク、西山千明・矢島鈞次 監修、古賀勝次郎・谷口洋志・佐野晋一・嶋中雄二・川俣雅弘訳(春秋社)
新版2008年
328頁
定価:4,950円(税込)
目次(収録作品)
貨幣理論と景気循環
(景気循環の問題/非貨幣的景気循環論/貨幣的景気循環論/景気循環変動の基本的原因/景気循環論の未解決問題)
価格と生産
(貨幣の諸価格に及ぼす影響にかんする諸理論/消費財生産と生産財生産との均衡条件/信用循環過程における価格メカニズムの作用/「弾力的」通貨にたいする賛否/資本と産業変動―批判への回答)
〈不況はどうして起こるのか?)、〈不況への有効な対策はあるのか?〉。不況の原因を実物経済ではなく、‘貨幣’の不均衡(配分の失敗)に求めることによって、ハイエクをノーベル経済学賞に導いた初期の二論文。1930年代に起きた世界大恐慌を背景に、不況のメカニズムと対処法を提示した、ハイエクの果敢な挑戦。
『貨幣理論と景気循環』は経済学者としてのハイエクの最初の業績であり、『価格と生産』はケインズとの激しい舌戦を巻き起こしたことで、一躍ハイエクを有名にした論文。ケインズ思想はハイエクという好敵手あって、研鑽されたと言えます。また、近年では、バブル景気のメカニズムを当てた書としても最注目されています。
出典:春秋社公式サイト