『自我の源泉―近代的アイデンティティの形成』チャールズ・テイラー、下川潔・桜井徹・田中智彦訳(名古屋大学出版会)
2010年
696頁
定価:10,450円(税込)
目次(収録作品)
第1部 アイデンティティと善
(不可避の枠組/道徳空間における自我/不明確な倫理/道徳的源泉)
第2部 内面性
(道徳の地形学/プラトンの自己支配/「内なる人に」/デカルトの距離を置いた理性/ロックの点的自我/「人間の条件」の探求/内なる自然/歴史的説明についての補足)
第3部 日常生活の肯定
(「神は副詞を愛し給う」/合理化されたキリスト教/道徳感情/神意による秩序/近代の文化)
第4部 自然の声
(砕かれた地平/ラディカルな啓蒙/源泉としての自然/表現主義的転回)
第5部 より繊細な言語
(ヴィクトリア朝に生きたわれらが同時代人/ポスト・ロマン主義時代のヴィジョン/モダニズムのエピファニー/結論―近代の対立軸)
〈善〉の存在論 ——。人間という主体についての近代的な理解、すなわち〈近代的アイデンティティ〉の複雑さと豊かさ、偉大さと危うさがいかに形成されてきたかを、隠れた道徳的立場とともに明らかにし、その真価を救出。共同体主義・多文化主義で知られるテイラーの主著、待望の邦訳。
出典:名古屋大学出版会公式サイト