『普通のドイツ人とホロコースト―ヒトラーの自発的死刑執行人たち』ダニエル・J・ゴールドハーゲン、(ミネルヴァ書房)
2007年
631頁
定価:8,800円(税込)
目次(収録作品)
ホロコーストに関する中心的観点の再考
第1部 ドイツの反ユダヤ主義を考える―抹殺主義者の思考
1 反ユダヤ主義再考
2 近代ドイツにおける抹殺的反ユダヤ主義の展開
3 抹殺的反ユダヤ主義
第2部 抹殺論者の計画と組織
4 ナチスのユダヤ人攻撃
5 絶滅の執行者と機構
第3部 警察大隊―自発的殺人者であった普通のドイツ人
6 警察大隊―大量虐殺実行者
7 第101警察大隊の隊員たちの行動
8 第101警察大隊の隊員たちの動機を考察する
9 警察大隊―生活・殺戮・動機
第4部 絶滅政策としてのドイツ人「労働」
10 ナチ期におけるユダヤ人「労働」の根拠と形態
11 「労働」収容所における生活
12 労働と死
第5部 死の行進―最後の日々
13 死の道
14 行進はどこに向かうのか
第6部 抹殺的反ユダヤ主義、普通のドイツ人、自発的な死刑執行人
15 犯行者の行動に関する競合する説明
16 大量虐殺の動機としての抹殺的反ユダヤ主義
エピローグ
あとがき
付論1~3
大量虐殺の動機とは? ホロコーストの加害者、ドイツ人の反ユダヤ主義、ナチス時代におけるドイツ社会の性質を再考する。1990年代中頃に「ゴールドハーゲン」論争を巻き起こし、ドイツ歴史学界の激しい批判を浴びつつも、ベストセラーとなったホロコーストに関する問題書の全訳。第二次世界大戦中、ナチス・ドイツは「アウシュヴィッツ絶滅収容所」に象徴されるように、ヨーロッパ・ユダヤ人の絶滅をめざして、組織的に差別・迫害・殺害の限りを尽くした。本書では,ユダヤ人大量虐殺の現場、これを遂行した「普通のドイツ人」の動機や心情など、学術的史書では後景に隠されがちな情景が、重苦しいばかりの記述となって再現されている。本書を「逸脱の書」と評するか、「告発の書」はたまた「警醒の書」と見るか、いまなお論議は終わっていない。
出典:ミネルヴァ書公式サイト