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『精選女性随筆集』(文藝春秋)第9巻~第12巻

『精選女性随筆集 第9巻 須賀敦子』須賀敦子、川上弘美選(文藝春秋)(シリーズ全12巻)

2012年
267頁




目次(収録作品)

第1部 イタリアの友人(遠い霧の匂い/マリア・ボットーニの長い旅/夜の会話 ほか)
第2部 文学と人生(プロローグ(『ユルスナールの靴』)/死んだ子供の肖像/しげちゃんの昇天 ほか)
第3部 ペッピーノへの手紙ほか(芦屋のころ/となり町の山車のように/大洗濯の日 ほか)

女性作家名随筆のアンソロジー、第九巻は、選者・川上弘美さんが以前から愛読していた須賀敦子さんの作品です。代表的随筆集である『ミラノ 霧の風景』『コルシア書店の仲間たち』『ヴェネツィアの宿』『トリエステの坂道』『ユルスナールの靴』『遠い朝の本たち』『時のかけらたち』から数篇ずつと、単行本未収録エッセイ、夫ペッピーノへの愛と茶目っ気があふれる書簡(原文イタリア語)で構成します。。「理解したい。理解するにはどうしたらいいのか」――異質なもの、容易には近づき得ないものへの好奇心と信頼を生涯失わない姿勢に、衰えぬ須賀人気の秘密がある気がします。

出典:文藝春秋BOOKS



『精選女性随筆集 第10巻 中里恒子・野上彌生子』中里恒子・野上彌生子、小池真理子選(文藝春秋)(シリーズ全12巻)

2012年
269頁




中里恒子1 日々の楽しみ
中里恒子2 旧友たち
中里恒子3 本と執筆
中里恒子4 おんならしさ
野上彌生子1 山荘暮らし
野上彌生子2 作家の思い出
野上彌生子3 同時代人へ
野上彌生子4 山姥独りごと

女性作家の名随筆のアンソロジー、第10巻は昭和を代表する女性作家である中里恒子と野上彌生子。
選者・小池真理子氏は「時雨の記」で中里文学に惚れ込んだ。今回全随筆を読み「思った通りの人だった」と言っている。あまり出歩かず、家事や園芸にいそしみ読書と数少ない友人との深い交わりを愛しんだ作家の随筆は、読めば読むほど豊かな心持になれる。野上彌生子は軽井沢の山荘での独居を好んだ、というところに小池氏は親近感を持ったという。焦らず弛まず大器晩成の文学者人生を歩んだ人、というイメージの作家だが、小池氏のお薦めは小品「カナリヤ」。戦時下の乏しい食糧事情のなか、よれよれのカナリヤをひきとって育てる話だ。この巻で、今は作品入手のしにくい二人の女性作家の、美しい日本語と深い教養に裏打ちされた思索、暮らしの愉しみ方をぜひ味わってほしい。

出典:文藝春秋BOOKS



『精選女性随筆集 第11巻 向田邦子』小池真理子選(文藝春秋)(シリーズ全12巻)

2012年
267頁




第1部 一九七四~七七年(テレビドラマの茶の間/寺内貫太郎の母/名附け親 ほか)
第2部 一九七八~七九年(隣りの神様/草津の犬/マハシャイ・マミオ殿 ほか)
第3部 一九八〇~八一年(襞/お弁当/職員室 ほか)

シナリオ作家、小説家、エッセイストとして華々しい活躍をしていた最中に不慮の飛行機事故で世を去った向田邦子。彼女が人気ドラマ「寺内貫太郎一家」のシナリオを書いていた頃、そして大病をへて記念碑的第一エッセイ集『父の詫び状』を発表する70年代半ばから81年の事故直前までのエッセイ三十五編を採録する。
幼いころのしんみりする思い出を描いた名品「ゆでたまご」「お弁当」、誰もが我も、と思い当たる節のある失敗談「ポロリ」、納得の男性観察「パセリ」など、身の回りの出来事が切れのよい文章で切り取られ、ほのかに哀切な読後感を残す。今読んでも、何度読んでも、日本人の琴線に触れる傑作随筆ぞろいです。

出典:文藝春秋BOOKS



『精選女性随筆集 第12巻 石井好子・沢村貞子』川上弘美選(文藝春秋)(シリーズ全12巻)

2012年
267頁




石井好子(アメリカでの私/パリでの私/母たちのこと)
沢村貞子(下町/震災と投獄/台所から、茶の間から/二人で歩んだ幾歳月)

石井好子といえばお料理エッセイ。沢村貞子といえば献立日記。本書は、日本人女性に愛され続ける料理随筆をものした二人の、ドラマチックな前半生の記録を主な内容としています。
シャンソン歌手石井好子は大臣の娘にうまれ、東京音楽学校(現・東京藝術大学)でクラシックを学んだ本格派ですが、戦後、単身アメリカへ歌手修業に飛び出します。サンフランシスコでポピュラー音楽の発声法やダンスのレッスンを受け、一流の舞台を貪欲に観にゆきます。しかし、それでは飽き足らず、運命の土地・パリへ。そこでキャバレーの主役の座を射止め、「シャンソン歌手」石井好子が誕生するのです。
浅草にうまれた沢村貞子は、芝居一家で育ちますが、浮いた環境に反発して教師を目指し、日本女子大に進学します。しかし教師の世界の偽善に嫌気がさし、一転、劇場女優へ。左翼活動に関わることになり、治安維持法違反で二度も逮捕され、計一年以上、獄中生活を忍びます。大胆に、真っ直ぐに生きた二人の人生の記録をお読み下さい。

出典:文藝春秋BOOKS

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