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『常世論―日本人の魂のゆくえ』谷川健一(講談社学術文庫)

『常世論―日本人の魂のゆくえ』谷川健一(講談社学術文庫)
(※アマゾンの画像が別の本のものになっている)※情報は記事作成時点。

1989年10月10日第1刷発行
286頁




目次(収録作品)

序章

海彼の原郷―補陀落渡海
常世―日本人の認識の祖型


若狭の産屋/南の島/ニライカナイと青の島


越の海/志摩の記/淡路の海人族/常陸―東方の聖地/丹後の浦島伝説/美濃の青墓
終章

原本あとがき
解説 飯島耕一

常世とは、水平線の彼方に対する憧憬と死がまじり合ったもの。しかし常世は、祖霊の在(いま)す幽界や黄泉の国、そして沖縄のニライカナイともつながる。著書は、そうした世界が観念化される以前の原風景を求めて、補陀落(ふだらく)渡海や浦島伝説、また産小屋の問題などに立ち向かう。新しい発見の感動に支えられて、柳田・折口両先学らの論を一歩進めようと、日本人の原郷意識に挑んだ谷川民俗学の代表作の1つ。

出典:講談社BOOK俱楽部

底本は、『常世論―日本人の魂のゆくえ』(1983・平凡社選書)。

著者は、民俗学者・地名学者ほか。

目次にあるいろいろなことを論じているが、沖縄や奄美に伝わる海の彼方や海底にあると信じられる理想郷のニライカナイや沖縄の死者を海岸の洞窟に風葬する風習などから、常世や他界観を考察するのが主眼の本。その点、興味深い。また、「うぶすな」を考察した「若狭の産屋」も興味深い。
この手の話に興味がある人には、中々おすすめの本。ただ、文章は難しくはないが、ある程度の知識を前提としていて、一般的な教養程度ではよくわからない部分が散見される。また、「補陀落渡海」「ニライカナイ」「パーント」なども丁寧には説明せずに話を進めている。

[参考]
『南島論序説』谷川健一(1987・講談社学術文庫)
amazon

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