2009年
242頁
目次(収録作品)
第1章 テロと不安と憤怒と(昭和初年~開戦まで)「天皇陛下、御あやまりなされませ」
第2章 前線に散った人々(開戦~昭和20年8月)「ああ 戦死やあわれ」
第3章 敗れた国に殉じて(敗戦前後)「一死以て大罪を謝し奉る」
第4章 戦後の混乱のなかで(昭和20年代)「すべて精算カリ自殺」
第5章 政治の季節と高度成長(昭和30~40年代)「血と雨にワイシャツ濡れて」
第6章 大いなる終焉へ(昭和50~60年代)「音たえてさびし」
二・二六将校から昭和天皇まで 遺書でたどる昭和史
昭和ほど数多くの遺書が書かれた時代はありません。戦前、二・二六事件の磯部浅一は天皇への呪詛(じゅそ)の言葉を残し、死地に赴く山本五十六は愛人に相聞歌を贈りました。未曾有の大戦をはさんで戦後も、焼け跡の日本人を励まし続けた美空ひばりの絶筆から、昭和天皇の最後の御製まで、遺書には激動の時代を生きた日本人の生と死のドラマがくっきりと刻印されています。『散るぞ悲しき』で玉砕の硫黄島総指揮官の生涯を描き、栗林ブームを巻き起こした梯久美子さんが、55人の遺書を読み解きながら昭和を見事に甦らせます。
出典:文藝春秋BOOKS