『現代日本哲学への問い―「われわれ」とそのかなた』勝守真(勁草書房)
2009年
241頁
目次(収録作品)
第1章 廣松渉を読む(1):変位と物象化
第1節 四肢構造論の概要
第2節 所知的構造化における変位と物象化
第3節 四肢構造化における変位と物象化
第2章 廣松渉を読む(2):共同主観的現前を超えて
第1節 四肢構造は現前するか
第2節 <妥当/通用>論のパラドクス
第3章 大森荘蔵を読む:想起とそのかなた
第1節 大森過去論の概要
第2節 大森過去論の難点
第3節 <亡霊>としての過去
第4章 永井均を読む:他者の語りとしての<私>論
第1節 概観──<私>の存在
第2節 概観──<私>の変質と他者
第3節 他者の語りを聞く
第4節 <私>は他者に先行するか
第5章 高橋哲哉を読む:出来事からの脱構築
第1節 <語りえぬものの語り>のアポリア
第2節 責任と正義──アポリア論の後景化
第3節 犠牲のアポリア論へ
廣松渉、大森荘蔵、永井均、高橋哲哉──現代日本において独自の知的境位を拓いてきた哲学者たちの理論を徹底して批判的に読み解く。これまで同じ文脈で扱われたことのない一見異質な思想(共同主観性論、想起過去説、〈私〉の存在論、脱構築的社会批判)を、「われわれ」の現前を超える〈他なるもの〉という一貫した視座から分析する初めての試み。アインシュタインやボーアの思想研究で知られる著者の斬新かつ本格的な日本哲学論。
出典:勁草書房公式サイト