『モラリア』プルタルコス(京都大学学術出版会)(全14巻)
『モラリア1』瀬口昌久訳
2008年
323頁
目次(収録作品)
子供の教育について
どのようにして若者は詩を学ぶべきか
講義を聴くことについて
似て非なる友について
—いかにして追従者と友人を見分けるか
いかにしてみずからの徳の進歩に気づきうるか
子供を賞めたり叱ったりしても手をあげてはならないと諭す『子供の教育について』、拍手喝采よりも真理があるか否かを見逃すなと警告する『講義を聴くことについて』、おべっかと真の友人をどのように見分けるかを説いた『似て非なる友について』など、感受性豊かなモラリストのプルタルコスが古典から引用しつつ読者に語りかける教育論。
出典:京都大学学術出版会公式サイト
『モラリア2』瀬口昌久訳
2001年
310頁
いかに敵から利益を得るか
多くの友をもつことについて
運について
徳と悪徳
アポロニオスへの慰めの手紙
健康のしるべ
結婚訓
七賢人の饗宴
迷信について
プルタルコスが書き遺した『モラリア』の膨大な作品群から、倫理学的論文集を中心に、医師と哲学者が養生法について論じた「健康のしるべ」のほか、「運」「七賢人の饗宴」「いかに敵から利益を得るか」「徳と悪徳」「アポロニオスへの慰めの手紙」「結婚論」「迷信」などを収録する。
出典:京都大学学術出版会公式サイト
『モラリア3』松本仁助訳
2015年
402頁
王と将軍たちの名言集
ローマ人たちの名言集
スパルタ人たちの名言集
スパルタ人たちの古代の慣習
スパルタ女性たちの名言集
女性たちの勇敢
傑人たちの言行録『英雄伝』で知られる著者が,多忙を極めるトラヤヌス帝のため,著名な支配者たちの発言だけを蒐集して記憶に供したという『王と将軍たちの名言集』をはじめ,スパルタ的徳の讃美者である著者の嗜好が表われた『スパルタ人たちの名言集』『スパルタ人たちの古代の慣習』『スパルタ女性たちの名言集』など全6篇を収録.
出典:京都大学学術出版会公式サイト
『モラリア4』伊藤照夫訳
2018年
396頁
ローマ習俗問答
ギリシア習俗問答
ギリシア・ローマ対比史話集
ローマ人の運について
アレクサンドロスの運または徳について
第一部
第二部
アテナイ人の名声は戦争によるか知恵によるか
ローマ人およびギリシア人の風俗・習慣の起源や名称の由来を探る「習俗問答」2篇、いずれも演示用弁論にして、偉業の成就に必要なものをめぐるアゴーン(論争)の書「ローマ人の運について」「アレクサンドロスの運または徳について」「アテナイ人の名声は戦争によるか知恵によるか」3篇に、著者の大作『英雄伝(対比列伝)』のパロディを思わせる「ギリシアとローマの対比史話集」の全6篇。
出典:京都大学学術出版会公式サイト
『モラリア5』丸橋裕訳
2009年
385頁
イシスとオシリスについて
ピュティアをめぐる対話篇(デルポイのEについて/ピュティアは今日では詩のかたちで神託を降ろさないことについて/神託の衰微について)
プルタルコスの神学的著作で現存する作品のうち、本書は、エジプト神オシリスをめぐる神話を題材とした『イシスとオシリスについて』と、『デルポイのEについて』『神託の衰微について』などギリシアの巫女ピュティアをめぐっておこなわれた三つの対話篇を収録し、デルポイの神官であった著者が得意の神学的思索を展開している。
出典:京都大学学術出版会公式サイト
『モラリア6』戸塚七郎訳
2000年
333頁
徳は教えられるか
倫理的徳について
怒りを抑えることについて
心の平静について
兄弟愛について
子供への情愛について
悪は、それだけで不幸を招くのに十分であるか
魂の病は身体の病よりも悪いか
お喋りについて
詮索好きについて
本書も倫理学関係の論文を中心に,生活訓や対話書簡を集めたもので,具体的でわかりやすい議論を展開する.先人たちへの言及も多く含み,博識ぶりが示されている.「倫理的徳について」「怒りを抑えることについて」「心の平静について」「兄弟愛について」「子供への情愛について」「お喋りについて」など 10 篇の作品を収める.
出典:京都大学学術出版会公式サイト
『モラリア7』田中龍山訳
2008年
382頁
1 富への愛好について
2 気弱さについて
3 妬みと憎しみについて
4 妬まれずに自分をほめることについて
5 神罰が遅れて下されることについて
6 運命について
7 ソクラテスのダイモニオンについて
8 追放について
9 妻への慰めの手紙
ソクラテスの行動をさまざまな場面で抑止したとされるダイモンの合図について、くしゃみ説などを検討した『ソクラテスのダイモニオンについて』、筆者自身が登場人物になって、悪人が罰を受けないのはなぜかを論じた『神罰が遅れて下されることについて』、厳しい境遇にある相手に語りかけた書簡『追放について』等珠玉のエッセー9篇を収める。
出典:京都大学学術出版会公式サイト
『モラリア8』松本仁助訳
2012年
512頁
食卓歓談集
第一巻
第二巻
第三巻
第四巻
第五巻
第六巻
第七巻
第八巻
第九巻
解説
固有名詞索引
待望の『食卓歓談集』が登場。本書冒頭に置かれた問い「宴席で哲学の議論をしてよいか」に対する肯定的な答えを前提に展開される全9巻95(現存83)論題は、「なぜ恋は人を詩人にするのか」「鶏が先か卵が先か」「ユダヤ人が豚を食べないわけ」「アルファがアルファベットの初めにある理由」など、哲学のみならず歴史・文学・医学・自然科学・慣習ときわめて多岐にわたっている。本邦初完訳。
出典:京都大学学術出版会公式サイト
『モラリア9』伊藤照夫訳
2011年
317頁
借金をしてはならぬことについて
十大弁論家列伝
アリストパネスとメナンドロスの比較論概要
ヘロドトスの悪意について
「歴史の父」ヘロドトスの歴史眼に向けられた、あまりに過激で執拗な批判が、著者の穏健なイメージに似つかわしくないことから、真偽論争まで引き起こした『ヘロドトスの悪意について』のほか、アッティカ弁論家10人に関する貴重な伝記資料『十大弁論家列伝』、露骨なまでの新喜劇贔屓がプルタルコスの時代性を炙り出す『アリストパネスとメナンドロスの比較論概要』など4篇を収録する。
出典:京都大学学術出版会公式サイト
『モラリア10』伊藤照夫訳
2013年
214頁
エロス談義
情話五題
哲学者はとくに権力者と語り合うべきことについて
教養のない権力者に一言
老人は政治活動に従事するべきか
政治家になるための教訓集
独裁政治と民主政治と寡頭政治について
結婚を主題としつつ,形式的にも内容的にもプラトンの対話篇に範をとった『エロス談義』の新訳に加え,哲学者や神官という顔のほか公職の経験もあった著者が,「ローマの平和」の下に生きるギリシア人にしてかつ現実主義的な常識人として,同時代の学識者や権力者,余生に迷う老友や将来に悩む若者らに贈った政治的処世訓などを収録する.
出典:京都大学学術出版会公式サイト
『モラリア11』三浦要訳
2004年
266頁
哲学者たちの自然学説誌
第一巻
第二巻
第三巻
第四巻
第五巻
自然学的諸問題
解説
人名索引
DKおよびSVFと本書との対照表
著者プルタルコスは、平易な文体で知られ、長く読み継がれてきた。本書は、ソクラテス以前の哲学者、ストア派など、著作の失われた著作家の学説を復元するにあたって、根本資料として重要である。自然研究を主題別に摘要した『哲学者たちの自然学説誌』、自然現象にまつわる難問に答えた『自然学的諸問題』を収録する。本邦初訳。
出典:京都大学学術出版会公式サイト
『モラリア12』三浦要ほか訳
2018年
370頁
月面に見える顔について 三浦要訳
冷の原理について 三浦要訳
水と火ではどちらがより有益か 三浦要訳
陸棲動物と水生動物ではどちらがより賢いか 中村健訳
もの言えぬ動物が理性を用いることについて 和田利博訳
肉食について 和田利博訳
第一部
第二部
いわゆる『倫理論集』の一部をなす本分冊には、月面に人の顔が現れるという事象、冷たさの原理性、水と火の有益性などをめぐり、きわめてさまざま学説が紹介・検討される自然学的著作3篇に加え、動物は理性や徳性を持つのかという問題、人間に対する動物の優位性、肉食の是非などが、いずれも反ストア派的傾向を基調に論じられる動物学的著作3篇を収める。
出典:京都大学学術出版会公式サイト
『モラリア13』戸塚七郎訳
1997年
364頁
第一部
プラトン哲学に関する諸問題
『ティマイオス』における魂の生成について
『ティマイオス』における魂の生成について<摘要>
第二部
ストア派の自己矛盾について
ストア派の人々は詩人たちにより不合理なことを語っていること<摘要>
共通観念について――ストア派に答える
プルタルコスの名は『英雄伝』であまりにも著名だが、一方で厖大な量のエッセー集『モラリア』を遺した。本叢書では、そのすべてを順次翻訳・刊行していくが、まず哲学論文集に焦点をあてる。本書は、その中のプラトン、およびストア派に関する著作で、「プラトン哲学の諸問題」「ストア派の自己矛盾について」などを収める。本邦初訳。
出典:京都大学学術出版会公式サイト
『モラリア14』戸塚七郎訳
1997年
258頁
エピクロスに従っては、快く生きることは不可能であること
コロテス論駁
『隠れて生きよ』について
音楽について
本書では、エピクロスの快楽主義哲学が爼上にあげられ多面的に批判される。「エピクロスによって快く生きることは不可能であること」「コロテス論駁」「『隠れて生きよ』について」の3篇である。これらによって、快楽主義とは何であったのかが克明に描かれ、その概要を知ることができる。他に「音楽について」も収録する。本邦初訳。
出典:京都大学学術出版会公式サイト