スポンサーリンク

『仏の畑の落穂他』小泉八雲(恒文社)

『仏の畑の落穂他』小泉八雲、平井呈一訳(恒文社)

1975年12月10日初版発行
492頁




目次(収録作品)

仏の畑の落穂―極東における手と魂の研究
 生神(A LIVING GOD)
 街上から(OUT OF THE STREET)
 京都紀行(NOTES OF A TRIP TO KYŌTO)
 塵(DUST)
 日本美術の顔について(ABOUT FACES EN JAPANESE ART)
 人形の墓(NINGYŌ-NO-HAKA)
 大阪(IN ŌSAKA)
 日本の俗謡における仏教引喩(BUDDHIST ALLUSIONS IN JAPANESE FOLK-SONG)
 涅槃(NIRVANA)
 勝五郎再生記(THE REBIRTH OF KATSUGORŌ)
 環中記(WITHIN THE CIRCLE)

異国風物と回想
異国風物(EXOTICS)
 富士の山(Fuji-no-Yama)
 虫の音楽家(Insect-Musicians)
 禅の公案(A Question in the Zen Texts )
 死者の文学(The Literature of the Dead)
 カエル(Frogs)
 月がほしい(Of Moon-Desire)

回想(RETROSPECTIVES)
 第一印象(First Impressions)
 美は記憶なり(Beauty is Memory)
 美のなかの悲哀(Sadness in Beauty)
 青春のかおり(Parfum de Jeunesse)
 青の心理学(Azure Psychology)
 小夜曲(A Serenade)
 赤い夕日(A Red Sunset)
 身震い(Frisson)
 薄明の認識(Vespertina Cognitio)
 永遠の憑きもの(The Eternal Haunter)

八雲と仏教思想(平井呈一)

本書は、小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)の来日後、第4作品集『Gleanings in Buddha-Fields』と第5作品集『Exotics and Retrospectives』のニ書を邦訳し一書としたもの。

「稲むらの火」の元の作品である「生神(A LIVING GOD)」や紀行文、論考を収める。
「京都紀行」は、うつくしい佳品。「富士の山」は、富士登山に興味がある人には興味深く読めるだろう。
ただ全体的には、仏教に関する説明、論考が多くあまりよくない。(仏教を学ぶにしても本書の論考はあまり役立たないだろう)
しかし、約120年前(原著は1897-98年の出版)の文章が古びてなく、つまらなくはなく読めることには、改めて著者の先見的な知性に驚く。
著者のはじめの一書としては、やはり『Glimpses of Unfamiliar Japan』がよい。

[参考]
「稻むらの火」

『新編 日本の面影』ラフカディオ・ハーン(角川ソフィア文庫)(『Glimpses of Unfamiliar Japan』の邦訳)

スポンサーリンク

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする

Secured By miniOrange