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『夏目漱石全集』(ちくま文庫)

『夏目漱石全集』夏目漱石(ちくま文庫)全10巻

『夏目漱石全集1』(ちくま文庫)

1987年
573頁

目次(収録作品)

吾輩は猫である

ワガ輩ハ猫デアル。とはいいながら名前はまだない。しかし、わが輩の人間を観る眼のするどさはどうだろう!…中学の英語教師苦沙弥先生の家に集まる奇妙な明治の“文化人”たち、またその身辺におこるさまざまな小事件を、猫の眼を通して痛烈・ユーモラスに風刺して、文明社会を辛辣にえぐる不朽の快作を全1冊でおくる。若い読者の理解を助けるため読みやすい活字で詳細な語注を付した。

出典:筑摩書房公式サイト



『夏目漱石全集2』(ちくま文庫)

1987年
404頁

倫敦塔
カーライル博物館
幻影の盾
琴のそら音
一夜
薤露行
趣味の遺伝
坊っちゃん

英国留学時代を題材にした「倫敦塔」「カーライル博物館」ほかいわゆる初期浪漫的短篇7篇に加え、松山の教員時代の体験をもとに、天真爛漫な正義派江戸っ子教師の活躍を描いて、根強い人気をもつ青春小説「坊っちゃん」を収録する。小説家として地歩をかためつつあった時代の漱石の文学世界を提供する。

出典:筑摩書房公式サイト



『夏目漱石全集3』(ちくま文庫)

1987年
445頁

草枕
二百十日
野分

「智に働けば角が立つ」から「しばらくでも塵界を離れた心持になれる」詩的天地に遊ぼうと、旅に出た青年画家は才気あふれる女性・那美さんと出会う…。清浄な“非人情の世界”を描いた『草枕』、欲と金の社会を批判しつつ理想主義に苦悩する青年を描いて、のちの大作品群を予感させる『二百十日』と『野分』―漱石初期の代表的中篇を収める。若い読者の理解を助けるため読みやすい活字で詳細な語注を付した。

出典:筑摩書房公式サイト



『夏目漱石全集4』(ちくま文庫)

1988年
673頁

虞美人草
坑夫

我執と虚栄心のみ強く、他人を愛することのできない紫色の似合う女・藤尾の、凄惨な愛と破綻の姿を、絢爛たる文章とドラマティックな構成で描いて世評高い『虞美人草』。恋愛事件をひき起こして家を出奔した一青年の、周旋屋に誘われるまま入った足尾銅山での地獄の体験をつづった異色作『坑夫』。漱石文学において異彩をはなつ新聞連載第一作・第二作を併収。

出典:筑摩書房公式サイト



『夏目漱石全集5』(ちくま文庫)

1988年
629頁

三四郎
それから

熊本の高校から東京の大学へ、小川三四郎は不安と期待を胸に上京する。そして出会う、「新しい女」美祢子…。『それから』『門』へと続く3部作の序曲ともいうべき『三四郎』。『三四郎』の秘やかな恋から一転して深刻な人間悲劇をおびてくる『それから』における主人公代助の愛とその破綻…。明治末期の知識人の愛の心理と運命を描く永遠の青春小説2篇を同時収載。

出典:筑摩書房公式サイト



『夏目漱石全集6』(ちくま文庫)

1988年
584頁


彼岸過迄

親友を裏切って結ばれた野中宗助・御米夫妻は、いま崖下の借家でひっそりとくらしている。幸福にひたりながらも罪の意識に苦しむ宗助は、ついに禅院の門をたたく…。市井の幸福のかげにひそむ精神の地獄を鋭い心理描写とともに描き切った『門』。許婚者千代子との愛情問題を軸に孤独な知識人須永の苦悩を描きつつ、作者のそれを映し出す『彼岸過迄』。それぞれ漱石の後期の転機となる問題作。

出典:筑摩書房公式サイト



『夏目漱石全集7』(ちくま文庫)

1988年
678頁

行人
満韓ところどころ
思い出す事など

「詩人らしい純粋な気質」の学者長野一郎は平凡な結婚生活を送りながら、妻お直を信じきれない。弟二郎に対するお直の愛情さえ疑いはじめ、一郎はやがて深刻な人間不信に陥る。「死ぬか、気が違うか、宗教に入るか…」近代知識人の孤独と苦悩を描く『行人』。明治43年に倒れたいわゆる「修善寺の大患」当時の心境を綴る『思い出す事など』、満州・韓国の訪問記『満韓ところどころ』を同時収載。

出典:筑摩書房公式サイト



『夏目漱石全集8』(ちくま文庫)

1988年
590頁

こころ
道草

親友を死に追いやった罪悪感に苦しみ、自らも死を選ぶ「先生」の心の暗部をたどりつつ、透明な文体で、人間のエゴの問題を徹底して追求する『こころ』。互いに理解しえないまま結婚生活を送る健三・お住夫婦を中心に、因習的な「家」制度との矛盾・葛藤を描いて漱石唯一の自伝的小説といわれる『道草』。後期三部作の終曲をなす名篇と、完成された最後の長篇を同時収録。若い読者の理解を助けるため読みやすい活字で詳細な語注を付した。

出典:筑摩書房公式サイト



『夏目漱石全集9』(ちくま文庫)

1988年
648頁

明暗

結婚して間もない津田・お延夫妻の不安定な家庭生活を中心に、清子、小林などの登場人物を巧みに配して展開される醜悪な人間の百鬼夜行…。漱石の生涯のテーマであるエゴイズムとその克服の問題が、精緻な心理解剖とともに追及される本書は、大正5年5月26日から同年12月14日まで新聞連載され、漱石の死によって中絶された遺作である。日本近代文学の傑作を全一冊でおくる。

出典:筑摩書房公式サイト



『夏目漱石全集10』(ちくま文庫)

1988年
709頁

小品(京に着ける夕/文鳥/夢十夜/永日小品/長谷川君と余/子規の画/ケーベル先生/変な音/三山居士/初秋の一日/硝子戸の中)
評論(作物の批評/写生文/文芸の哲学的基礎/創作家の態度/田山花袋君に答う/文壇の趨勢/コンラッドの描きたる自然について/明治座の所感を虚子君に問われて/虚子君へ/道楽と職業/現代日本の開化/中味と形式/文芸と道徳/私の個人主義)
初期の文章(倫敦消息/自転車日記)

小品、評論、初期の文章の代表作品収録。詳細な語注付き全集完結。

出典:筑摩書房公式サイト

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