
『ラ・ロシュフコー箴言集』ラ・ロシュフコー、二宮フサ訳(岩波文庫)
1989年12月18日初版発行
1995年12月5日第15刷発行
351頁
目次(収録作品)
箴言
削除された箴言(M・S)
没後刊行の箴言(M・P)
考察1~19
ラ・ロシュフコー自画像
レ枢機卿によるラ・ロシュフコー公の肖像
「われわれの美徳は、ほとんどの場合、偽装した悪徳に過ぎない」―よく知られたこの一句が示すように、ラ・ロシュフコー(1613‐80)の箴言は、愛・友情・勇気など美名の下にひそむ打算・自己愛という業を重い律動感のある1,2行の断言であばき、読者を挑発する。人間の真実を追求するフランス・モラリスト文学の最高峰。
本書表紙(カバー)より
著者は、フランスの貴族であり、文学者。(1613-1680)
おそらく、最も有名で一番読まれている箴言集。
江戸時代の人が、書いたとは思えない今にも生きる洞察が散りばめられている。低評価のレビューが一部見られるが、そのほとんどは、本書を人生や仕事などに役立つ「人生訓」だと勘違いしてのものだと思われる。本書は、そのような内容ではなく、表紙の説明にもあるが、偽善や欺瞞などへの批評が主なものである。
注にクリスチナ女王の評が記されていて興味深い。女王に倣って一口評をしたくなる。
(p.16)
20 賢者の不動心とは、心の動揺を胸中に閉じこめる技巧に過ぎない。
クリスチナ女王評、「嘘だ。これは偽善者の習性であって、賢者のそれではない。」(p.290)
(p.90)
291 人の偉さにも果物と同じように旬がある。
クリスチナ女王評、「表現は悪くない。しかし私は、真の偉さは季節を選ばず、また決して季節はずれになることもないと思う。」(p.294)
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[関連]
『箴言集』ラ・ロシュフコー、武藤剛史訳(2019・講談社学術文庫)