『犬と鬼―知られざる日本の肖像』アレックス・カー(講談社学術文庫)
2017年
448頁
目次(収録作品)
プロローグ
第一章 国土―土建国家
第二章 治山・治水―災害列島
第三章 環境―ステロイド漬けの開発
第四章 バブル―よき日々の追憶
第五章 情報―現実の異なる見方
第六章 官僚制―特別扱い
第七章 モニュメント―大根空港
第八章 古都―京都と観光業
第九章 新しい都市―電線と屋上看板
第十章 鬼―モニュメントの哲学
第十一章 「マンガ」と「巨大」―モニュメントの美学
第十二章 総決算の日―借金
第十三章 国の冨―お金の法則
第十四章 教育―規則に従う
第十五章 教育のつけ―生け花と映画
第十六章 国際化―亡命者と在日外国人
第十七章 革命は可能か―ゆでガエル
結論
あとがき
美しい自然、練磨された文化遺産、高度な技術、優秀な教育制度……。世界をリードするような新文明を築こうとした日本は、1990年代に失速した。明治維新、敗戦を超え、「近代化」を推進してきた日本は、本質的に「近代化」で失敗した。「有能な官僚制度」に誘導された土建国家は、伝統日本を破壊してしまった。この国の問題は、慢性的・長期的なもので、日本をこよなく愛する著者が怒りと悲しみを込めて警告する。
出典:講談社BOOK俱楽部