2014年
288頁
目次(収録作品)
はじめに
第一部 森と野はらと畑の世界
第一章 稲作以前とは何か
カンジキという民具の底に
ブナの森に抱かれて
稲作の外部/畑作の復権
枷としての農本主義
第二章 食の文化の深みへ
山に生かされた日々
主食としてのソバとカブ
ヒエをめぐる民族史
米/肉の裂けめに
第三章 山野の民俗誌を織る
山村調査・山形篇から
原像としての北の焼畑
山野の幸の採集
第四章 狩猟の原風景を求めて
春のクマ狩り モノと技術の組織化
民族史の結ぼれ
第二部 それぞれの帰郷の時代
第一章 野辺歩きの旅から
さらば、芭蕉的なるものよ
もうひとつの東北への道
野辺を歩き、野良を耕す
楕円の民俗学へ
第二章 ほんたうの賢治を求めて
村の衰滅のなかで
賢治の東北とは何か
それは可能性の種子である
第三章 可能性としての民俗学へ
巨人たちが去ったあとに
変容の民俗誌のために
一国民俗学を越えて
第四章 棄郷と帰郷のはざまに
柳田国男から内発的発展論へ
変わりゆくムラと都市
あらたな帰郷の文体
村からのエコロジー
おわりに 東北ルネッサンスのために
内在的な批判からの出立
地域、多数性を内に孕んで
辺境史観を越えて
幻の『東北学』創刊の辞
解説…………内藤正敏
「東北学」を提唱する著者が、その試みを世に問うた作。柳田国男がその一国民俗学の枠組において北辺とした東北を、多数性を豊かに孕んだ最前線と位置付ける。狩猟・採集・焼畑が四季を通じて複合的・総合的に営まれる山の暮らしを、数年に及ぶ聞き書きに拠って掬い上げ、縄文以来、東北に堆積してきた稲作以前の種族=文化の重層的なありようを「腑分け」。<東北・柳田・民俗学>をめぐる知の見取り図を示す。
出典:講談社BOOK俱楽部
本書は、『東北学へ3 東北ルネッサンス』を改題して文庫化したもの。
[関連]
『東北学へ3 東北ルネッサンス』赤坂憲雄(1998・作品社)単行本
amazon