1999年
238頁
目次(収録作品)
第1章 書紀研究論(森への誘い/書紀概説/書紀研究の視点 ほか)
第2章 書紀音韻論(音韻学と書紀/漢字音による書紀区分論/α群歌謡原音依拠説 ほか)
第3章 書紀文章論(倭習の指摘/誤用と奇用/倭訓に基づく誤用 ほか)
第4章 書紀編修論(α群中国人述作説/β群の正格漢文と仏教漢文/「憲法十七条」とβ群の倭習 ほか)
七二〇年に完成した日本書紀全三十巻は、わが国最初の正史である。その記述に用いられた漢字の音韻や語法を分析した結果、渡来中国人が著わしたα群と日本人が書き継いだβ群の混在が浮き彫りになり、各巻の性格や成立順序が明らかとなってきた。記述内容の虚実が厳密に判別できることで、書紀研究は新たな局面を迎えたといえる。本書は、これまでわからなかった述作者を具体的に推定するなど、書紀成立の真相に迫る論考である。
出典:中央公論新社公式サイト