2011年
232頁
目次(収録作品)
1.贈与から税へ
2.贈与の強制力
3.贈与と経済
4.儀礼のコスモロジー
贈与は人間の営む社会・文化で常に見られるものだが、とりわけ日本は先進諸国の中でも贈答儀礼をよく保存している社会として研究者から注目を集めてきた。その歴史は中世までさかのぼり、同時に、この時代の贈与慣行は世界的にも類を見ない極端に功利的な性質を帯びる。損得の釣り合いを重視し、一年中贈り物が飛び交う中世人の精神を探り、義理や虚礼、賄賂といった負のイメージを纏い続ける贈与の源泉を繙く。
第10回角川財団学芸賞受賞。出典:中央公論新社公式サイト