『資本主義と市民社会 他十四篇』大塚久雄、齋藤英里編(岩波文庫)
2021年
422頁
目次(収録作品)
1 生産力と経済倫理
経済倫理の実践的構造――マックス・ヴェーバーの問題提起に関連して
経済倫理と生産力
資本主義と市民社会――その社会的系譜と精神史的性格
2 市民社会と民富
経済的繁栄の幻像――投機による擬制的富の結末
経済再建期における経済史の問題
近代化の歴史的起点――いわゆる民富の形成について
3 近代化と人間類型
自由主義に先立つもの
魔術からの解放
現代日本の社会における人間的状況――一つの感想風な回顧と展望
4 資本主義と民主主義
巨万の富――歴史における富豪と民衆
民主主義と経済構造
政治的独立と国民経済の形成
5 低開発国の近代化と自立化
低開発国研究にとって経済史学がもつ意義
近代化の経済史的条件――低開発国問題に関して西洋経済史は何を物語るか
経済の近代化過程における宗教の役割
戦後日本の社会科学に大きな影響を与えた経済史家・大塚久雄(1907-1996)。比較経済史と呼ばれたその学問は、西欧における資本主義の発生過程とその精神的基盤の解明をめざすとともに、日本社会の近代化の条件を探ろうとするものだった。生産力論、民富論、人間類型論、国民経済論、途上国近代化論のテーマ別に主要論考を精選する。
本書表紙(カバー)より