1979年9月20日初版発行
198頁
著者は社会学者。(1931-1982)
本書は、大学の教養課程度の社会学の内容を、著者のアメリカ留学の回想をまじえ論じたもの。
書名からいわゆる「知的生産」の内容に思うが、それより社会学入門という感じの内容。
著者は、社会学者の清水幾太郎らと社会運動(砂川事件など)をしていて、それについても少し語っている(第7章)。
下記が勉強になった。
(p.134)
ヴェーバーのプロテスタント倫理の仮説は、社会学の歴史からいうと、もともとマルクス流の経済決定論を、くつがえす意味を持っていた。すなわちマルクスは経済的要因を、社会構造を説明するための主要な原因、つまり独立変数と考えた。これに対してヴェーバーは、非経済的要因とくに宗教的要因が、経済的変化を説明する独立変数になり得るという理論を、提出したわけである。