『増補 ラフカディオ・ハーンの日本観―その正しい理解への試み』築島謙三(勁草書房)
1964年11月5日初版発行
1977年10月31日増補版第一刷発行
436頁
目次(収録作品)
第一部
第一章 外国人の日本観を理解する上に必要なこと
第二章 研究の目標
第三章 「知られぬ日本の面影」をかくまでのハーン
第二部
第四章 松江から熊本へ
第五章 熊本における心況の推移
第六章 当時のハーンの日本観―チェンバレンとの間の往復書簡に見る―
第七章 日本観の変化に影響した諸要因
第八章 熊本から神戸へ―視野の拡大―
第九章 ハーンにおける文化の概念―著書「日本」を完成する基礎条件として―
第十章 神戸から東京へ―不安と独居と執筆と―
第十一章 「日本―一つの解明―」の考察
第三部
第十二章 若干の問題
第十三章 ハーンとチェンバレン
第十四章 ハーンとスペンサー
第十五章 「日本人の変らない側面」について
第十六章 ハーンの「日本」とベネディクトの「菊と刀」
第十七章 総括
増補 日本観をめぐるハーンの初期と晩年
著者は社会心理学者。本書は、著者のいくつかの論文を一書にまとめたもの。
第一部、第二部は書簡を豊富に引用しハーンの日本観を論じている。
第三部は、目次の内容を論じる。
ハーンの著作や書簡を通読している者にとっては、あまり得られるところはない。
第13章は、ザビエル、ケンペル、オールコック、グリフィス、デニング等々、様々な外国人の日本評を簡単にだが、示しつつチェンバレンの『日本事物誌』の版による相違を考察していて興味深い。
[筆者注]
(p.78)
「一九九四年だと」(書簡、チェンバレン宛、明治27年5月25日、全集(第一書房)第10巻、p.553-554)
筆者は、引用の元の本を未見なのだが、1994年というのはおかしい。おそらく誤植。