1998年4月20日初版発行
254頁
目次(収録作品)
序 思考の形態学
1 単語の思考―単語は巨大な思考単位である
2 語源の思考―原初の宇宙観に立ち会う
3 確実の思考―方法的懐疑と論理
4 全部と一部の思考―反証・量化・代用
5 問いの思考―思考に形をあたえる
6 転倒の思考―視点の転換
7 人間拡張の思考-メディアと技術の見方
8 擬人法の思考―どこまでがヒトか
9 特異点の思考―誇張法の系統樹
10 入れ子の思考―思考の原始構成
著者は、関東短期大学助教授。専門は近代文学、文章論、メディア論。(本書カバーのデータ)
書名に「文章読本」とあるが、文章の書き方・読み方の本ではない。思考法について論じたものである。単語、語源、懐疑、すべてと一部、擬人法等の視点から、さまざな文章を豊富に引用し、その思考の仕方を論じている。
日本やヨーロッパの古今の思想家・学者などの書籍からの引用が主で、とても質の高い内容である。新書だが大学の講義などよりよっぽど高レベルな、おすすめの良書。
[関連]
『思考のための文章読本』花村太郎(ちくま学芸文庫)260頁
※著者名が違うが(花村はペンネーム)、本書を復刊したもの。