1973年11月10日初版発行
244頁
目次(収録作品)
捕虜になるまで
強制労働の日々
泥棒の世界
捕虜の見た英軍
日本軍捕虜とビルマ人
戦場と収容所―人間価値の転換
帰還
著者は歴史学者。(1916-1997)
京都大学卒業後、ビルマ戦線に従軍し、イギリス軍の捕虜となりラングーンに拘留された著者の体験記。
確かな観察眼で、イギリス兵、グルカ兵、ビルマ人、インド人の特徴を分析している。捕虜生活の興味深いエピソードがてんこ盛りで、著者の記憶力に驚く。また、著者の自他に対する公平な判断力に好感をもつ。仲間たちの高学歴者への嫉妬による差別なども率直に書かれていて興味深い。
平明で軽妙な筆致で読みやすい。おすすめの良書。
本書は今も増刷されているロングセラーだが、改版されていないので字が小さい。改版され読みやすくなった新書版の方が、おそらく読みやすいと思う。
[関連・参考]
『アーロン収容所―西欧ヒューマニズムの限界』会田雄次(1962・中公新書)
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『アーロン収容所―西欧ヒューマニズムの限界 改版』会田雄次(改版2018・中公新書)
『アーロン収容所再訪』会田雄次(1988・中公文庫)
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