『ナショナリズム―その神話と論理』橋川文三(ちくま学芸文庫)
2015年
254頁
目次(収録作品)
序章 ナショナリズムの理念―一つの謎
第1章 日本におけるネーションの探求
第2章 国家と人間
日本ナショナリズムは、なぜ第二次大戦という破局的帰結にいたったのか。それ以外の可能性は本当に存在しなかったのか。―これが、かつて自らも日本浪漫派に熱狂した青年であった橋川文三が生涯抱え込んだ難問であった。この問いに向き合うべく、橋川は明治維新前後の黎明期へと遡行し、その起源に肉薄する。水戸学から松陰へと至る士族の流れと中間層における国学の系譜との相克。その間隙を衝くように行われた明治政府の国民統合政策。「隠岐コミューン」に託したもう一つの可能性…。日本ナショナリズムの形成過程をダイナミックに描き出す、第一級の古典。
出典:筑摩書房公式サイト