『世界哲学史6―近代I 啓蒙と人間感情論』伊藤邦武・山内志朗・中島隆博・納富信留 責任編集(ちくま新書)全8巻+別巻1
2020年
304頁
目次(収録作品)
第1章 啓蒙の光と影 伊藤邦武
第2章 道徳感情論 柘植尚則
第3章 社会契約というロジック 西村正秀
第4章 啓蒙から革命へ 王寺賢太
第5章 啓蒙と宗教 山口雅広
第6章 植民地独立思想 西川秀和
第7章 批判哲学の企て 長田蔵人
第8章 イスラームの啓蒙思想 岡崎弘樹
第9章 中国における感情の哲学 石井剛
第10章 江戸時代の「情」の思想 高山大毅
コラム1 近代の懐疑論 久米暁
コラム2 時空をめぐる論争 松田毅
コラム3 唯物論と観念論 唯物論と観念論 戸田剛文
コラム4 世界市民という思想 三谷尚澄
コラム5 フリーメイソン 橋爪大三郎
西洋における啓蒙主義は、基本的に科学的合理性への信頼を下敷きにしていたものの、同時に、理性に対する過度の信頼によって生じる人間性の軽視を問題視していた。啓蒙の光と影、理性と感情の問題を明らかにしつつ、「光」としての啓蒙運動が、人間性の復活という目標をもっていたこと、そしてそれがアメリカ、さらに東洋へと伝わって感情論を軸にした人間論に強い共鳴現象を起こしたことを、主に一八世紀を舞台とする東西の思想の具体例とその交流の歴史から浮き彫りにする。
出典:筑摩書房公式サイト