1998年
207頁
目次(収録作品)
1 「無言館」の誕生
2 なぜ、私は旅をはじめたか
3 待っていた遺族
4 妻のなみだ・妹のなみだ
5 一人旅になる
6 私たちの「戦争」
7 ああ、「無言館」をつくりたい
8 二つの生命
そして……「無言館」は開館した
信州の丘の上にたつ小さな美術館「無言館」。
太平洋戦争で亡くなった画学生たちの作品や遺品を展示している小さな小さな、美術館です。
このいっぷう変わった美術館を作るために、遺族を探しあて、全国を旅して遺品を集め、金策にも走りまわった窪島誠一郎さんが、熱い思いを秘め、やさしく語りかける感動のノンフィクション。こころざしなかばで戦争にかり出された画学生が、出征直前まで懸命に描いた絵。
戦地でそっと描いたスケッチや、ふるさとの家族にあてた絵ハガキ。
愛用の絵の具や絵筆、スケッチブック。
ひとつずつ胸をうつエピソードをもつ作品や遺品は、言葉を発することなく、今日も信州の丘の上の小さな美術館で、おとずれる人を待っているのです。
(作品22点のカラー口絵つき)出典:講談社BOOK俱楽部