『玉手箱と打出の小槌―昔話の古層をさぐる』浅見徹(中公新書708)
昭和58年(1983)10月25日初版発行
213頁
著者は国語学者。
本書は、著者の二つの論文「浦島の玉手箱」(1980・『岐阜大学国語国文学』)と「一寸法師と打出の小槌」(1982・同)を基に書かれたもの。
昔話がその時代の社会状況や価値観、宗教的観念などに影響され変容していくことを、「浦島太郎」「一寸法師」の物語を例に論じている。
「昔話の古層をさぐる」という副題が、興味深くかっこいいが、もっと鋭く探ってほしかった。
昔話の研究をする人は、必読か。2006年に改稿版が出ている。
[参考]
『浦島太郎の文学史』三浦佑之(五柳書院)
『改稿 玉手箱と打出の小槌』浅見徹 (2006・和泉選書)(本書の改稿版。単行本。定価:3,200円(税別))