『物理世界のなかの心―心身問題と心的因果』ジェグォン・キム、太田雅子訳(勁草書房)
2006年
239頁
目次(収録作品)
序
第一章 心身問題──われわれは今どこにいるのか
1 スーパーヴィーニエンス・実現・創発
2 スーパーヴィーニエンスは心身の理論ではない
3 階層モデルとメレオロジカルなスーパーヴィーニエンス
4 物理的実現説
5 物理的実現説は心身スーパーヴィーニエンスを説明する
第二章 心的因果の多くの問題
1 心的因果の三つの問題
2 スーパーヴィーニエンス論法、あるいはデカルトの報復
3 サール、フォーダー、スーパーヴィーニエンス論法
4 二階の性質についてのブロックの気がかり
第三章 心的因果──抵抗と無料ランチ
1 形而上学は避けて通れない──排除問題
2 反事実的条件文は助けになるか?
3 「プログラム説明」とスーパーヴィーニエンス因果
4 心的因果の問題は一般化するか?
5 性質──「レベル」と「階」
第四章 還元と還元主義──新たな姿
1 ネーゲルの還元──「橋渡し法則」にまつわる困難
2 還元の機能的モデル
3 機能的性質VS.機能的概念
4 多重実現再び
5 スーパーヴィーニエンス論法再訪
6 選択肢──良い知らせと悪い知らせ
心的因果とは、心の働きが原因となって行動や他の出来事を惹き起こすことを指す。このごく当たり前の想定を自然科学的な世界理解と整合させるのは、思いのほか難しい。本書では、両者を調停しようとする折衷的な立場が必ず破綻することを示し、心的因果を支持することは不可能だと論じる。徹底した物理主義一元論に何を学ぶか。
出典:勁草書房公式サイト