分析哲学の発展に関わった哲学者たち
デイヴィドソン(Donald Davidson 1917-2003)
アメリカの哲学者。プラグマティズムと論理実証主義的経験主義を継承しながら、独自の形而上学を含む言語哲学を構築し、意味論や行為論を展開した。
『行為と出来事』D・デイヴィドソン、服部裕幸・柴田正良訳(1990・勁草書房)
『真理と解釈』D・デイヴィドソン、野本和幸・金子洋之・植木哲也・高橋要訳(1991・勁草書房)
『主観的、間主観的、客観的』D・デイヴィドソン、清塚邦彦・柏端達也・篠原成彦訳(2007・春秋社)
『合理性の諸問題』D・デイヴィドソン、金杉武司・塩野直之・鈴木貴之・信原幸弘訳(2007・春秋社)
ダメット(Michael Dummett 1925-2011)
イギリスの哲学者。フレーゲ研究から出発し、その後、数理哲学、論理学、言語哲学、形而上学など幅広い領域で活躍。分析哲学の歴史についての著作もある。
『真理という謎』M・ダメット、藤田晋吾訳(1986・勁草書房)
『真理と過去』M・ダメット、藤田晋吾・中村正利訳(2004・勁草書房)
『ダメットにたどりつくまで―反実在論とは何か』金子洋之(2006・勁草書房)
パトナム(Hilary Putnam 1926-2016)
アメリカの哲学者。1960年代以降、心の哲学、言語哲学、数学の哲学、認識論など様々な分野で積極的な議論を提示。初期から現在に至るまで、自己の哲学的立場を何度も批判的に大きく転回させている。
『実在論と理性』H・パトナム、飯田隆・佐藤労・山下弘一郎・金田千秋・関口浩喜(1992・勁草書房)[amazon]
『理性・真理・歴史―内在的実在論の展開』H・パトナム、野本和幸・中川大・三上勝生・金子洋之(新装版2012・法政大学出版局)
『心・身体・世界―三つ撚りの綱/自然な実在論』H・パトナム、野本和幸監訳、渡辺大地・岩沢宏和・関口浩喜・入江さつき訳(2005・法政大学出版局)
『事実/価値二分法の崩壊』H・パトナム、藤田晋吾・中村正利訳(新装版2011・法政大学出版局)
ローティ(Richard Rorty 1931-2007)
アメリカの哲学者。プラグマティズムの方法を発達させ、80年代以降、分析哲学への批判的な議論を展開。政治哲学の論壇でも活躍し、リベラリズムを擁護する立場、またハイデガーやデリダら大陸哲学への親近性も示す。
『哲学と自然の鏡』R・ローティ、野家啓一監訳、伊藤春樹・野家伸也・須藤訓任・柴田正良(1993・産業図書)
『哲学の脱構築―プラグマティズムの帰結』R・ローティ、室井尚・加藤哲弘・庁茂・吉岡洋・浜日出夫訳(新装版1994・御茶の水書房)
サール(John Rogers Searle 1932- )
アメリカの哲学者。言語哲学および心の哲学を特に専門とする。オースティンの言語行為論に対するデリダの批判に端を発したデリダ=サール論争も話題を呼んだ。2000年、ジャン・ニコ賞受賞。
『言語行為―言語哲学への試論』J・R・サール、坂本百大・土屋俊訳(1986・勁草書房)
『表現と意味―言語行為論研究』J・R・サール、山田友幸監訳(2006・誠信書房)
『志向性―心の哲学』J・R・サール、坂本百大訳(1997・誠信書房)
『MiND』J・R・サール、山本貴光・吉川浩満訳(2018・ちくま学芸文庫)
『心・脳・科学』J・R・サール、土屋俊訳(2015・岩波書店)
『行為と合理性』J・R・サール、塩野直之訳(2008・勁草書房)
『ディスカバー・マインド!―哲学の挑戦』J・R・サール、宮原勇訳(2008・筑摩書房)
デネット(Daniel Clement Dennett 1942- )
アメリカの哲学者。クワインやライルのもとで学び、その後、心の哲学、科学哲学を専門に活躍。進化論や認知科学との関わりで人間の意識の問題などを論じている。2001年、ジャン・ニコ賞受賞。
『解明される意識』D・C・デネット、山口泰司訳(1997・青土社)
『自由は進化する』D・C・デネット、山形浩生訳(2005・NTT出版)
『ダーウィンの危険な思想―生命の意味と進化』D・C・デネット、山口泰司監訳、大崎博・斎藤孝・石川幹人・久保田俊彦訳(2000・青土社)
『心はどこにあるのか』D・C・デネット、土屋俊訳(2016・ちくま学芸文庫)
『「志向姿勢」の哲学―人は人の行動を読めるのか?』D・C・デネット、若島正・河田学訳(1996・白揚社)
※勁草書房「現代哲学総合ブックガイド」を参考に作成。
・現代哲学 主要ブックガイド 分析哲学の全体像(入門・概論)