『世界システム論講義―ヨーロッパと近代世界』川北稔(ちくま学芸文庫)
2016年
262頁
目次(収録作品)
世界システムという考え方
アジアにあこがれたヨーロッパ人―大航海時代へ
キリスト教徒と香料を求めて
スペイン帝国の成立と世界システムの確立
「十七世紀の危機」
環大西洋経済圏の成立
ヨーロッパの生活革命
砂糖王とタバコ貴族
奴隷貿易の展開
だれがアメリカをつくったのか
「二重革命」の時代
奴隷解放と産業革命
ポテト飢饉と「移民」の世紀
パクス・ブリタニカの表裏
ヘゲモニー国家の変遷
結びにかえて―近代世界システムとは何であったのか
“近代世界を一つの巨大な生き物のように考え、近代の世界史をそうした有機体の展開過程としてとらえる見方”、それが「世界システム論」にほかならない。この見方によって、現代世界がどのような構造をもって成立したかが浮き彫りとなる。すなわち、大航海時代から始まるヨーロッパの中核性、南北問題、ヘゲモニー国家の変遷など、近代のさまざまな特徴は、世界システム内の相互影響を分析することで、はじめてその実相を露わにするのだ。同時にそれは、歴史を「国」単位で見ることからわれわれを解放する。第一人者が豊富なトピックとともに説く、知的興趣あふれる講義。
出典:筑摩書房公式サイト